日タイ技術協力会議の開催
令和7年6月10日、タイ・バンコクで「日タイ技術協力会議」が行われます。この会議は、先月ミャンマーで発生した地震の影響を受け、タイ政府の要望に応じて開催されるものです。日本の専門家が現地の技術者に対し、建設時の安全管理や地震後の安全点検に関する知見を伝えることが目的です。
背景
3月28日に起きたミャンマーの地震を受け、タイ政府は日本の支援を求めました。これに対して国土交通省は、4月3日には専門家をタイに派遣し、さらに10日には技術協力ワークショップを開催しました。この一連の支援活動を通じて、タイでは地震の経験が少なく、国民の不安を解消するためにも、地震後の安全点検が重要であることが認識されました。
また、建設中のラーマ2世通りの高架道路では、地震発生前に崩落事故が発生しており、建設時における安全管理の重要性が改めて確認されました。
会議の詳細
日タイ技術協力会議では、以下の点に重点が置かれます。
1.
建設時の安全管理: 日本の建設技術や管理手法を紹介し、タイの建設業界に活かすことを目指します。
2.
地震後の安全点検: 地震後の迅速な安全点検の重要性と方法について議論し、タイ国民の安全を守るための体制構築を支援します。
この会議は、先方の運輸大臣からの要請に基づいて実施されるもので、国土交通省の専門家が直接講演を行います。
参加者
会議には、以下の専門家が参加予定です。
- - 廣瀬 昌由 (国土交通省 技監)
- - 八尾 光洋 (国土交通省 総合政策局 海外プロジェクト推進課長)
- - 嶋田 博文 (国土交通省 道路局企画課 国際室長)
- - 荒井 幸雄 (国土交通省 大臣官房 技術調査課 建設システム管理企画室 工事監視官)
- - 片岡 正次郎 (国立研究開発法人 土木研究所 構造物メンテナンス研究センター 耐震研究監)
- - 垣下 禎裕 (首都高速道路株式会社 執行役員)
今後の展望
日タイ技術協力会議を通じて、日本の技術がタイにおいて活用され、より安全な建設現場と地震対策が実現されることが期待されます。両国間の技術的なつながりを強化し、今後の地震災害に備えた安全対策を推進することは、タイにおける国民の安全を守る上で極めて重要です。
日本の豊富な経験と知見が、国際的な支援という形で新たな価値を生み出すことを願っています。