高齢者の暮らしを守るための「コロナフレイル」対策
自粛生活の影響と高齢者の健康
新型コロナウイルスの影響で、多くの人々が外出を控え、自宅での生活が続きました。このような自粛生活は特に高齢者にとって心身の機能低下、すなわち「コロナフレイル」を引き起こす要因となっています。高齢者が活動を再開する際、特に注意が必要なのが転倒事故のリスクです。一般財団法人日本老人福祉財団が運営する有料老人ホーム「ゆうゆうの里」では、過去3年間で73件の骨折を伴う転倒事故が発生したと報告されています。これらの事故の43%が、転倒から1年以内に要支援・要介護状態に至る可能性があるとのことです。
転倒事故の発生要因
これらの転倒事故はさまざまな場所で発生しています。居室内での転倒は主にリビング、ベッド周り、ベランダなどが多く、これらの場所は慣れている分、油断しがちです。具体的には、食器を運ぶ際にバランスを崩したり、不安定な家具を支えにしようとしたりすることが原因とされています。
同様に、共用部における転倒も課題です。廊下や階段では、特に降りるときに注意が必要です。普段から歩行補助具を使っている方でも、急いでいるときや周りの注意が散漫になっていると、危険が増すとされています。
「コロナフレイル予防」に向けた取り組み
「コロナフレイル」を予防するため、日本老人福祉財団では多角的な対策を行っています。具体的には、入居者向けにオンライン講演やフレイル予防体操を定期的に実施し、健康維持に努めています。また、食事メニューにも注意を払っており、栄養バランスを考慮した食事を提供しています。
加えて、転倒事故のリスクを減少させるために、注意喚起ポスターを制作し、施設内に掲示しています。入居者が目にすることで、日頃の注意を促す狙いがあります。
転倒予防のポイント
転倒を防ぐためには、以下のポイントに注意が必要です。
- - 段差に注意:小さな段差でもつまずく原因になります。
- - 整理整頓:床には物を置かず、コード類や絨毯のめくれもチェックしましょう。
- - 滑りにくい靴を選ぶ:普段から履く靴に気を付けましょう。
- - 動き出しは慎重に:起き上がりや歩き始める時は特に不安定になりやすいので、周囲の家具を利用して安定を図ると良いでしょう。
一歩進んだ高齢者福祉の形
「ゆうゆうの里」では、高齢者が自分らしい生活を送れるよう、豊かな暮らし方を提案する取り組みを行っております。高齢者福祉の新たなモデルとして、入居者が夢や希望を持ち続けることができるよう、さらなるサービス向上に努めており、全国7か所でその活動を展開しています。
高齢者が安全に、健康に生活するために、今後も様々な対策と分かりやすい情報提供を行っていく予定です。