海士町独自の取り組み、全国初の複業協同組合誕生

海士町が迎え入れた新たな挑戦

島根県の海士町が、国内初の「特定地域づくり事業協同組合」として認定を受けました。この認定は、地域の活性化と仕事の創出を目指した取り組みであり、特に過疎化が進む地域において注目されています。認定式は2020年12月4日に島根県庁で行われ、様々な関連者が出席しました。

認定に至るまでの道のり

海士町複業協同組合は、令和2年10月9日に創立総会を行い、約2か月後の12月に認定を獲得しました。発起人たちは食料品加工や宿泊業、漁業、農業といった多様な分野に関わっており、地域の特性を生かした取り組みを始めています。特に、「半農半漁」という文化的な背景を持つ海士町だからこそ、新しい働き方が切り開かれる期待があります。

地域の関係者の想い

認定式では、島根県知事の丸山達也氏が挨拶し、海士町からのスタートを誇らしく思うと述べました。「この取り組みが全国の期待を背負っている」との言葉からも、その重みが感じられます。また、海士町長の大江和彦氏は、現代の変化に合わせた新しい働き方の確立に期待を寄せており、地域の未来を見据えた発言をしました。

奥田和司代表理事は、職員が複業を行うことで見出される新たな魅力やビジネスの創出に目を向け、従来の労働者派遣とは異なるシステムを打ち出しています。この協同組合は、各事業者が一丸となった取り組みを通じて、地域経済の活性化を図ります。

海士町のビジョン

海士町は「自立・挑戦・交流」を掲げ、地域の特性を生かした持続可能な発展を目指しています。これまでの伝統や文化を大切にしつつも、変わりゆく時代に合わせた新たな挑戦を続けています。地元の絆や信頼関係がこの地域の大きな財産であり、共同体の力を生かした新たな価値を創造することが求められています。

今後、海士町複業協同組合がどのように活動を進め、地域の活性化に寄与していくのかが注目されており、その展開には国内外からの期待が集まっています。少子高齢化と過疎化が進む中で、海士町の挑戦はその他の地域にとっても貴重な手本となるでしょう。