ふれあいプラザのIoT導入
2020-07-07 18:21:51
つくば市ふれあいプラザが導入したコロナ対策IoT機器の全貌
つくば市ふれあいプラザのコロナ対策IoT機器導入
最近、つくば市のふれあいプラザに無線式の温湿度センサーおよび二酸化炭素センサーが導入され、小さな運動室と多目的ホールでの環境管理が強化されています。
これらのIoT機器は、温湿度センサーから得られる情報を基に「暑さ指数」として知られるWBGT(湿球黒球温度)を算出し、事務室のパソコンで常時監視しています。この監視システムは、WBGTが上昇する傾向を捉えた際に適切な対策が講じられることを可能にします。特に、マスク着用が推奨される状況においても、熱中症リスクを低減させるための重要な施策と言えるでしょう。
また、二酸化炭素センサーによって、室内の換気状況を数値で示すことができ、これにより無駄な熱中症のリスクを回避し、快適な環境維持が図られています。コロナウイルス感染防止策との両立を考慮したこの取り組みは、密閉空間での感染拡大を防ぐだけでなく、夏季における換気による過負荷をも軽減します。
厚生労働省が策定した換気基準に基づき、特定建築物では換気回数が義務付けられており、全ての施設がこの基準を遵守することが求められています。特に二酸化炭素濃度については、1,000ppmを超えないように注意が必要とされています。このような基準に従って、センサーの設置により利用者の活動から生じる二酸化炭素濃度を常にモニタリングし、熱中症予防と密閉度の評価を進めています。
さらに、このシステムの利点として、Webアプリによるリアルタイムでの監視が挙げられます。ふれあいプラザの職員だけでなく、指定管理者である常陸興業のオフィスからも遠隔での監視が可能となっており、事態の変化には迅速に対応できる仕組みが整っています。
実施例と結果
具体的な利用状況においては、軽運動室において10名の利用者が集まった際、二酸化炭素濃度が上昇し始めると、職員が注意喚起を行った結果、濃度は1,016ppmでピークを迎え、その後は徐々に低下しました。また、室内温度の低下が見られ、利用者が自然に休憩を挟むなどの行動をとりました。
音楽発表会を行った多目的ホールでも同様に、事前に空調設定がなされ、発表開始時の二酸化炭素濃度は1,000ppmを越えることなく運営されました。館内の適切な換気を実現し、利用者と職員との共同作業が有効であったことが明示されています。
このように、ふれあいプラザに導入されたIoT機器は、ただの数値管理にとどまらず、利用者と運営者の相互作用を生み出し、安全かつ快適な環境を提供する仕組みを整えています。アクセシブルなデータの可視化により、実践的な運用がなされ、今後の利用実績に基づいて更なる改善が期待されています。
技術的側面
今回のシステムでは、最新のLPWAN(Low Power Wide Area Network)技術であるZETAが採用されています。この技術は中継器を用いた双方向通信を可能にし、高いデータ送受信率を実現します。設置も容易で、通常の電気工事なしに短時間で完了する特長があります。
株式会社テクサーの開発したZETA App Kitにより、管理者は計測値を簡潔に把握できるように工夫もされており、より男女問わず、利用者に分かりやすい情報伝達が実現されています。管理者へのメール通知機能も充実しており、有事への迅速対応が可能です。
このように、つくば市のふれあいプラザは、IoT技術を駆使してコロナ対策を講じており、より安全かつ快適な利用環境を提供するための努めを続けています。
会社情報
- 会社名
-
常陸興業株式会社
- 住所
- 茨城県つくば市田中1113
- 電話番号
-
029-867-4218