カノンキュアとクオリプスが契約締結
カノンキュア株式会社は、このたびクオリプス株式会社との間で技術支援契約を締結しました。これにより、肝疾患治療用の新たな細胞シートの開発が加速します。現在、我が国の肝硬変患者数は約13万人に達していますが、有効な治療法は未だ存在しません。肝移植の候補者としては年間約2500人であるものの、実際に移植が行われるのは500例に過ぎず、年間17000人もの患者が肝硬変によって命を落としています。
画期的な細胞シートの開発
この状況への対策として、鳥取大学医学部遺伝子医療学分野の汐田剛史教授らが独自の低分子薬IC-2を用い、間葉系幹細胞から肝細胞を生成。これを細胞シートとして形成し、肝表面に移植する手法を開発しました。この細胞シートを肝臓に貼り付けることで、線維成分を著しく減少させ、肝臓の再生を促進します。
さらに、肝硬変は肝細胞癌の発生原因でもあるため、この細胞シートによって肝細胞癌の発生抑制効果も期待されています。この技術を一日でも早く患者に提供できるよう、カノンキュア社は臨床試験開始を目指して研究開発を進めています。この度の契約締結により、非臨床試験や技術移管などの準備が整い、実用化への道が開けることが期待されています。
クオリプス社の貢献
契約に関して、クオリプス社の澤CTOは「各々が特有の強みを持つベンチャー企業の協力は、今後の再生医療の進展に大きな影響を及ぼすと信じています」というコメントを発表しました。彼の言葉は、今後の協業が生み出すであろう新たな治療法への期待を物語っています。
カノンキュアとクオリプスの概要
カノンキュア株式会社は2016年に設立され、鳥取県米子市内に拠点を構えています。代表取締役の堀川武晴氏は、先進的な医療技術の実現に向けて日々努めています。一方のクオリプス株式会社は、大阪大学の研究成果を基に2017年に設立。その目的は、同種iPS細胞由来の心筋細胞シートの開発・事業化にあります。今後は、効率的な生産技術の確立を目指し、治療法の革新に挑んでいます。
結論
肝疾患治療用の細胞シートの開発は、医療現場における重大な革新をもたらす可能性を秘めています。カノンキュア社とクオリプス社が連携し、最前線で研究を進めることで、肝硬変患者に新たな希望を提供することが期待されています。これからも進展に注目し、期待できる成果に胸を膨らませるばかりです。
お問い合わせは、カノンキュア株式会社(メール:
[email protected])まで。