新たな熱中症対策「取るねつ」の概要
近年、気温の上昇が続き、特に外での作業が多い建設業界での熱中症のリスクが高まっています。このような中、三共空調株式会社が開発した「熱中症対策エアーシャワー(通称:取るねつ)」が新たな対策として注目を集めています。発想としては、従来の空間を冷やすのではなく、作業者の身体そのものを直接冷却するというもので、今までにない画期的なアプローチが採用されています。
エアーシャワー技術の応用
この製品は、エアーシャワー技術を利用しており、作業者の体表面にまとわりつく熱を短時間で取り除くことができます。「取るねつ」は、特に施工現場での使用を想定し、強力な吹出風によって急速に熱を取り去る構造が特徴です。そのため、作業の合間に3分程度の短時間で使用可能で、従来の冷却制度とは明確に異なります。
開発の背景と過程
このプロジェクトのきっかけは、三和建設の社内ニーズに端を発します。特に、ビニールハウス内での冷却困難を受け、従来の冷却方法では限界があることが認識されました。このような問題から、三共空調へ「エアーシャワー技術を用いた新しいアプローチは可能か」という相談があり、開発がスタートしたのです。
人体に優しい設計
「取るねつ」の開発を担当する湊川陽介氏は、「私たちの目標は、身体にまとわりつく熱を取り除くことです。そのためには体全体をしっかり冷却する必要があります」と述べています。これは、工場での経験をもとにしたもので、現場でこそ真に求められる冷却機能を追求しています。同氏は、空間を冷やすだけでは足りず、身体そのものに直接作用する冷却手段を必要と強調しています。
実証実験と評価
開発には、早稲田大学の名誉教授である永島計氏の監修があり、実証実験が行われました。その結果、3分間の使用で休憩よりも優れた即効性の冷却効果が確認されています。体温や心拍数の安定が改善され、特に建設や物流現場での安全性向上にも寄与すると評価されています。
バージョンアップした3号機
現在は3号機の開発が進行中で、実証結果を踏まえた改良点が複数あります。作業場所への持ち運びやすさを考慮したサイズ・重量の最適化や、全身に風が行き届くように設計が見直されています。さらには、冬季でも活用できる通年利用可能な製品としての展開も検討されています。
今後の展示会および展開
「取るねつ」は、2026年4月に開催される熱中症対策展において初披露される予定です。展示会では実機の展示に加え、開発背景や実証データも披露されるとのことです。
展示会後は、実際の建設現場でテスト導入が開始される予定で、三共空調は今後も暑熱環境下で働く人々の安全確保のために技術開発を続けます。
企業情報
三共空調株式会社は、1969年に設立され、大阪府四條畷市に本社を置いています。衛生管理機器の開発・製造を行っており、社会の安全を支える技術開発に取り組んでいます。
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三共空調株式会社