京セラ、親水性ポリマー技術で長寿命型人工股関節開発!井上春成賞を受賞
京セラ株式会社は、東京大学大学院医学系研究科との共同開発で、親水性ポリマー技術「Aquala(R)」を搭載した長寿命型人工股関節を開発し、第49回井上春成賞を受賞しました。この技術は、人工股関節の摺動面に細胞膜と同じ分子構造を持つポリマーをグラフト重合させることで、摩耗を大幅に抑制し、耐用年数を延ばすことを可能にしました。
「Aquala(R)」技術とは?
「Aquala(R)」技術は、細胞膜と同じ分子構造を持つ「MPCポリマー」を人工股関節の摺動面にグラフト重合させた、日本発のバイオミメティック(生体模倣)技術です。この技術は、東京大学医学部整形外科の茂呂徹特任教授らによって開発され、2001年から京セラが開発企業として参画し、産学官連携によって製品化されました。
「Aquala(R)」技術を搭載した人工股関節製品の特長
「Aquala(R)」技術を搭載した人工股関節製品は、従来品と比べて摩耗粉の産生が約99%抑制され、耐用年数を大幅に延ばすと期待されています。歩行負荷試験では、15年以上疑似歩行(1日5,000歩程度)を実施した結果、摩耗粉の発生がほとんど認められませんでした。
「Aquala(R)」技術の今後の展望
京セラは、「Aquala(R)」技術を搭載した人工股関節製品を積極的に提供することで、患者様のQOL(クオリティオブライフ)の向上に貢献し続けると表明しています。また、この技術は、人工関節だけでなく、他の医療分野にも応用できる可能性を秘めているため、今後の更なる発展が期待されます。
井上春成賞について
井上春成賞は、大学等や研究機関などの独創的な研究成果をもとに、企業が開発、企業化した技術で、日本国内の科学技術の進展に寄与し、経済の発展、福祉の向上に貢献したものの中から特に優れた技術について、井上春成賞委員会が研究者および企業を表彰するものです。
まとめ
京セラの「Aquala(R)」技術を搭載した長寿命型人工股関節は、日本の技術力の高さ、そして産学官連携の重要性を示す素晴らしい成果です。この技術が、多くの患者様のQOL向上に貢献することを期待しています。