エンジニア採用の新基準
株式会社ハイヤールーが提供するコーディング試験サービス『HireRoo(ハイヤールー)』が、AI技術を活用した新しい機能をリリースしました。この機能は、候補者の試験中に発生する不審な行動を検知し、これを「不審度」として可視化するというものです。これにより中途採用におけるミスマッチを防ぎ、エンジニアの正当な評価を実現します。
ミスマッチによる損失の実態
採用ミスマッチが企業にもたらす損失は、1件あたり500万円以上になる場合があります。特にエンジニアの分野においては、2030年までに約79万人のIT人材が不足するとの試算があり、この問題は深刻です。エンジニアを採用する企業は、優秀な人材を見極めるために、試験の精度を向上させる必要があります。
実際にエンジニア採用を担当している調査者に聞いたところ、40.7%が入社後のスキルマッチに失敗し、退職に至った経験があると回答しました。これが示すのは、適切な評価基準がいかに重要であるかということです。
AIによる不審度検知機能
新たにリリースされた「不審度検知」の機能は、AIを使い、試験中の行動を分析します。これには、コピー&ペーストや他ページの閲覧といった不正行為が含まれ、こうした行動の多さに応じて不審度が判定されます。結果はレポート画面に表示され、すぐに確認できる仕組みとなっています。
この機能は、これまでの試験プロセスを強化するものであり、候補者が本当に持っているスキルを正確に見極める手段を提供します。さらに、初期の機能では単なる検知回数しか表示されなかったものが、今回のアップデートでは行動分析に基づいた詳細な情報が得られるようになっています。
実績と導入事例
『HireRoo(ハイヤールー)』は、2022年のサービス開始以来、200社以上に導入されています。例えば、GMOインターネットグループでは、試験方式の標準化に成功し、スコアや偏差値に基づいて採用判断を行うことができるようになりました。これにより、属人化を排除し、正確な採用理由の説明が可能になったとしています。
KINTOテクノロジーズでも、このシステムを導入することで、候補者の能力を見極めるためのフレームワークが確立され、試験導入が企業イメージの向上にも寄与しています。
会社のビジョン
ハイヤールーは、日本のモノづくり能力を高め、エンジニアの採用や育成を一貫して行うプラットフォームを提供しています。IT企業だけでなく、非IT企業におけるソフトウェア開発の内製化も進んでいる今日、正確な評価と適切な採用はますます重要になっています。今後も、技術を駆使してエンジニア採用の精准度を上げる取り組みを続けていくことでしょう。