食品ロス削減に取り組む新しい試み
2024年10月7日から11月30日まで、食品ロス削減月間に合わせて、ライフコーポレーションとネッスー株式会社が一般社団法人サスティナブルフードチェーン協議会(SFA)と協力し、食品寄贈に関する実証実験を実施します。これは、まだ食べられるにも関わらず販売できなくなった農産物や日配食品を、支援を必要とするこども食堂やひとり親世帯に寄贈することを目的としています。
背景と目的
日本では年間約472万トンもの食品ロスが発生しており、その中の49万トンが小売店に関連しています。食品の需要予測精緻化などで食品ロスの発生を抑える努力がされていますが、廃棄が発生するのは避けられない現実です。さらに、大きな社会問題として、約9人に1人の子どもが相対的貧困の状態にあることが指摘されています。この状況から、食品ロスと子どもの貧困という二つの課題を同時に解決することを目指しています。
実証実験の内容
実験はライフ扇大橋店で行われます。スタッフが廃棄予定の商品の中から寄贈できるものを選別し、専用の冷蔵庫に格納します。近隣のこども食堂や支援が必要な世帯は、この冷蔵庫から無償で商品を受け取ることができます。
この取り組みにより、店舗で発生する食品ロスの約80%を占める農産品や日配食品を活用し、約30万トンの食品ロス削減が実現可能とされています。
参加団体の声
こども食堂がるまるの代表、宮本明彦氏は、食品寄贈が減少している現状において、この試みが非常に期待されると述べています。新たに食材支援が増え、生鮮食品も手に入れることができるこの仕組みを理由に、地域の子ども支援の輪を広げることに貢献したいとのことです。
実施の展望
SFAは今後、寄贈モデルを全国に展開し、食品ロス削減と地域福祉の充実を両立させることを目指しています。さらなる試みと連携が期待されており、より多くの地域で同様の活動が広がることが望まれます。
この試みは、子どもたちに必要な支援を提供しながら、食の価値を見直すきっかけにもなるでしょう。
まとめ
今後も、食品ロスを減少させることができる各種の取り組みが求められています。ライフコーポレーションとネッスーの実証実験が、その一助となることを期待しています。地域の課題解決とともに、この動きが全国に広がることを願っています。