愛知県蒲郡市で進化する医療技術
昨今、日本は高齢化が進展し、骨粗しょう症の患者数が1300万人に達するという深刻な状況に直面しています。しかし、骨粗しょう症の検診受診率はわずか5%に留まっており、患者の80-90%は治療を受けていないとのことです。この状況が続くと、骨折や要介護状態に繋がり、医療や介護にかかる総費用が約1兆円に達することが懸念されています。
課題と解決の糸口
骨粗しょう症検診の実施には、特殊な検査機器を用いる必要があり、多くの被検者を対象にするのが困難です。また、被検者が受診するための動機付けも大きな課題です。iSurgery社は、こうした課題を克服するために、深層学習に基づいた画像解析技術を駆使し、胸部X線写真から骨密度を推測するAI医療機器を開発しました。この技術により、他の目的で撮影された胸部X線写真を活用し、被検者は追加の検査時間や労力、放射線被曝なしに検査を受けることができます。
この新たな検査方法は、骨粗しょう症の未治療を減らし、結果として骨折や要介護状態を回避するだけでなく、医療費削減にも貢献する可能性があります。
実証実験の実施
今回の実証実験は、蒲郡市および蒲郡市医師会の協力のもと、2022年11月1日から2024年2月28日まで実施されます。主な目的は、肺がん検診の際に撮影された胸部X線写真から骨粗しょう症を評価することの有用性を評価し、開発したAIの外部検証を行うことです。実施の流れとしては、AIの解析結果を基に医師が骨粗しょう症のリスク評価を行い、必要に応じて精密検査を判断します。
未来を見据えて
高齢化社会において、限られた資源や人材、資金を効率的に活用することは必須です。今後も増加が予想される骨粗しょう症患者を考慮し、IoTやAIを活用した効率的なスクリーニングを提案しています。この実証実験を通じて得た知見を全国に広げ、日本全体の社会課題の解決に寄与したいと考えています。
パートナーシップの募集
iSurgery社では、潜在的な骨粗しょう症患者を効率的に発見し、健康的な社会の実現と医療費の削減を共に目指す自治体パートナーを募集しています。この枠組みを採用することで、検診業務の効率化や受診率の向上などが期待されます。
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会社概要
iSurgery社は、整形外科医向けのAI医療技術を開発しており、骨粗しょう症および骨折のスクリーニングに注力しています。現在、東京都中央区に本社を構え、愛知県名古屋市にもオフィスがあります。代表取締役は整形外科・リハビリテーション科専門医の佐藤洋一氏が務めており、2020年に設立されました。詳細は公式サイトをご覧ください。
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