フードテックベンチャーASTRA FOOD PLAN、グローバル展開へ加速
埼玉県富士見市に拠点を置くフードテックベンチャー、ASTRA FOOD PLAN株式会社が、三菱UFJモルガン・スタンレー証券によるスタートアップ伴走プログラム「Japan Inclusive Ventures Lab (JIVL)」に採択されました。JIVLからの2,500万円の出資と約半年間におよぶ経営支援を受け、同社は主力ブランドである「ぐるりこⓇ」を軸としたグローバル展開を本格化させます。
「ぐるりこⓇ」とサステナブルなフードサイクル
ASTRA FOOD PLANは、独自開発の過熱蒸煎機を用いて、食品工場から排出される野菜の端材や規格外の農作物などをアップサイクルした食品パウダー「ぐるりこⓇ」を製造しています。この技術により、従来廃棄されていた食材を、栄養価の高い新たな素材へと変えることで、フードロス問題の解決に貢献しています。
「ぐるりこⓇ」は、その高い風味と栄養価が評価され、すでに複数の企業との協業実績があります。代表的な例として、牛丼チェーンの吉野家との協業による「タマネギぐるりこⓇ」の量産開始が挙げられます。また、2024年6月からは一般消費者向けへの販売も開始しており、Makuakeや楽天市場での販売実績も良好です。
JIVL採択によるグローバル展開への展望
JIVLは、Morgan Stanley Inclusive Ventures Lab (MSIVL)の日本版として2024年に始まったプログラムです。ブランディング戦略の構築から投資家向けピッチの作成、財務戦略の立案まで、多岐にわたるサポートが提供されます。ASTRA FOOD PLANはこの支援を活用し、「ぐるりこⓇ」のブランド認知度向上と海外市場への進出を加速させます。
2025年2月には、ニューヨークまたはロンドンで予定されているDemo Dayでのピッチが、その第一歩となります。海外市場での成功を目指し、ASTRA FOOD PLANはさらなる成長を遂げるべく、積極的な事業展開を進めていきます。
ASTRA FOOD PLANの取り組みと社会への貢献
ASTRA FOOD PLANは、過熱蒸煎機によるアップサイクル技術を通じて、年間2,000万トンにも及ぶ「かくれフードロス」の削減に貢献することを目指しています。これは、一般的に認知されている食品ロス量の約4倍に相当する規模です。
同社の取り組みは、環境問題への配慮に加え、経済的な持続可能性にもつながります。廃棄されていた食材を有効活用することで、新たなビジネスチャンスを創出し、地域経済の活性化にも貢献しています。
代表取締役 加納千裕氏のコメント
加納千裕代表取締役は、今回のJIVL採択について、「数多くの応募の中から選んでいただき、大変嬉しく思います」とコメントしています。創業当初は3名だったチームも、2024年秋には9名にまで拡大。組織体制の強化と事業拡大に向けた体制が整ったタイミングでのJIVL採択は、今後の成長への大きな弾みとなるでしょう。
加納氏は、JIVLプログラムを通じて得られる知識・経験を活かし、さらなる事業成長とグローバル展開を目指していくと意気込みを語っています。
まとめ
ASTRA FOOD PLANの「ぐるりこⓇ」は、サステナビリティと高い商品力を兼ね備えた革新的な製品です。JIVLプログラムによる支援を受け、世界市場への進出を目指す同社の今後の動向に注目が集まります。 日本のフードテック業界を牽引する存在として、ASTRA FOOD PLANの挑戦は、持続可能な社会の実現に向けて大きな一歩となるでしょう。