次世代SIMテクノロジー「iSIM」の商用化
株式会社ソラコム(東京都港区)は、次世代のSIMテクノロジー「iSIM」を商用化し、IoTデバイスに向けた新たな通信モジュールの提供を開始します。このiSIMは、従来のカード型SIMやチップ型SIM(eSIM)に次ぐ第三の形状のSIM技術として、2024年10月30日より提供される予定です。
iSIMの概要と技術的特長
iSIM(Integrated SIM)は、通信モジュールとSIMカードの機能を一つのチップ、すなわちSystem-on-Chip(SoC)に統合した革新的な技術です。これにより、IoTデバイスの設計が簡素化され、サイズが小さく、軽量で、省電力を実現することが可能となります。 さらに、通信モジュールとSIMが一体化することで、デバイス製造から販売に至るライフサイクルに伴う部品調達、物流、保管コストが低減され、環境負荷の削減も期待されています。
この度の商用化において、ソラコムはSony Semiconductor Israel Ltd.、Kigenと協力し、iSIMの商用利用を検証。これにより、IoTプラットフォーム「SORACOM」を通じて、さまざまなSIM形状を統合的に管理しやすく成長させてきました。
iSIM対応モジュールの提供
iSIMに対応した通信モジュールとして、Quectel Wireless Solutions Co., Ltd.の「BG773A-GL」と、株式会社村田製作所の「Type 1SC」の二種類が提供されます。これらのモジュールには、それぞれグローバルで利用可能な通信プラン「plan01s」がプリインストールされており、SIMカード一枚のみで世界中のセルラーネットワークをシームレスに利用できます。
使いやすさを重視した機能
iSIMモジュールは、SORACOMの「サブスクリプションコンテナ」機能を利用して、OTA(Over the Air)で簡単にサブスクリプション「planX3」を追加できる仕組みになっています。この「planX3」は、LTE-MやNB-IoT向けに最適化されているため、さまざまなIoTデバイスの使用場面に応じて柔軟に対応可能です。
また、iSIMを搭載したデバイスを検討している方々には、評価ボードキットも提供されており、基板に実装せずにスムーズに評価や検証を進めることができます。
iSIM商用化に関する4社からのコメント
この新技術に対する期待は高まりつつあり、KigenのCEOであるVincent Korstanje氏は、iSIM ソリューションにより、IoTデバイスメーカーは製品の開発から製造までの時間を短縮できると述べています。また、Sony SemiconductorのDima Feldman氏や村田製作所の中江広和氏、QuectelのMichael Wallon氏も、iSIM技術の価値を強調し、ユーザーにとっての利便性と効率性を指摘しました。
まとめ
iSIMの商用化により、IoT通信の未来はさらに明るいものになりそうです。ソラコムは、お客様やパートナー企業とともに、社会やビジネスの革新に寄与していくことを目指しています。今後の展開に期待が高まります。詳細情報は公式サイトをご覧ください。