GHIT Fund:感染症対策強化
2023-05-25 13:00:01

GHIT Fund、日本政府からの増資で「GHIT3.0」始動!感染症治療薬開発加速へ

GHIT Fund、「GHIT3.0」で感染症治療薬開発を加速



公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)は、日本政府からの2億米ドルの増資を受け、新たな5カ年計画「GHIT3.0」(2023年度~2027年度)を発表しました。この計画では、マラリア、結核、顧みられない熱帯病(NTDs)などの感染症治療薬・ワクチン・診断薬の開発を加速させることを目指しています。

今回の増資により、「GHIT3.0」の5年間の事業支援目標は総額4億米ドルに達します。日本政府に加え、アステラス製薬、中外製薬、第一三共、エーザイ、塩野義製薬、武田薬品工業といった大手製薬企業や、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、ウェルカムといった財団など、国内外の多くの企業・団体が資金提供や支援を表明しており、GHIT Fundの取り組みへの期待の高さが伺えます。

「GHIT3.0」の3つの柱



「GHIT3.0」は、以下の3つの柱を軸に推進されます。

1. イノベーションの加速:

探索研究から臨床試験、薬事承認まで、研究開発におけるイノベーションの実社会への導入を促進します。特に後期臨床試験への投資を強化することで、開発された治療薬などを迅速に必要とする患者へ届ける体制の構築を目指します。また、国内外の大学、研究機関、製薬企業、中小企業、スタートアップなど、多様な機関との国際的な共同研究を促進し、世界的なパンデミックや気候変動への対応にも貢献していきます。

2. 製品開発の投資インパクトの最大化:

結核、マラリア、NTDsの製品開発を加速化するため、ポートフォリオとリソースの最適化を図ります。持続可能で効率的な投資を継続できるよう、様々な投資メカニズムを模索し、限られた資金や人材を効果的に活用します。同時に、コンプライアンスやリスク管理の強化、意思決定プロセスの透明化など、制度整備にも力を入れます。

3. パートナーシップで生み出す化学反応:

治療薬などを迅速に患者に届けるため、パートナー企業などとの連携を強化し、強固な製品戦略を策定します。低中所得国におけるプレゼンス拡大や戦略的パートナーシップ強化にも取り組み、国連開発計画(UNDP)などのグローバルネットワークも活用しながら、研究開発からアクセス&デリバリーまでを一貫して支援する体制を整えます。

GHIT Fundのこれまでの成果と未来



GHIT Fundは設立以来、累積118件、約291億円を投資し、現在も53件のプロジェクトを進行中です。170団体ものパートナーと連携し、日本と海外の研究機関のネットワークを飛躍的に拡大してきました。

GHIT Fund CEOの國井修氏は、日本政府、製薬企業、財団からの支援に感謝を述べるとともに、「GHIT3.0」を通じて、製品開発の加速化・効率化、そして日本と海外の研究機関の連携強化に注力し、新製品開発を促進していくことを表明しました。

創設10周年を迎えたGHIT Fundは、今後もグローバルなパートナーシップを通じて、顧みられない感染症に苦しむ世界10億人以上の人のために、日本発のイノベーションを世界に届け続けます。

会社情報

会社名
公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金
住所
東京都港区六本木一丁目9-10アークヒルズ仙石山森タワー 25階
電話番号
03-6441-2032

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