過払金請求時効と今後の展望
2015-09-09 15:11:57
過払金利息返還請求権の消滅時効に関する解説:今後の動向とRVHの戦略
過払金利息返還請求権の消滅時効:その現状と課題
2000年代前半、多くの貸金業者でグレーゾーン金利(利息制限法の制限利息を超え、出資法の罰則対象となる金利未満の金利)が用いられていました。2006年の最高裁判決は、このグレーゾーン金利での取引を厳格に制限、過払い金が発生した場合の返還請求を可能としました。
しかし、この過払金利息返還請求権には消滅時効が存在します。民法167条1項に基づき、時効期間は10年。重要なのは、この時効期間の起算日が、借入金の元本完済日であるということです。2006年の判決や貸金業法改正を起算日とするわけではありません。
例えば、2010年にグレーゾーン金利で借入を開始し、2015年4月1日に元本完済した人の過払金利息返還請求権は、2025年4月1日に時効を迎えます。元本完済までの期間が5~10年程度と考えると、時効成立時期は借入時期によって大きく異なります。
グレーゾーン金利と貸金業法改正
2006年の貸金業法改正後も、2010年の改正法完全施行までグレーゾーン金利による貸付は続けられていました。日本貸金業協会の調査によると、消費者向け無担保貸付の平均約定金利は2008年3月末で22.57%、2009年3月末で20.87%と高水準を維持していました。2010年3月末時点でも、金利20%を超える貸付残高は2兆7027億円に上りました。
過払金返還請求により金融業者が被った元本毀損額は、2010年4月から2015年3月までの間で5245億円にのぼったと報告されています。この数字は、2010年当時の高金利貸付残高と比較すると少ないものの、業界への影響は依然として無視できない規模です。
RVH社の戦略:今後の需要を見据えて
2016年以降、過払金利息返還請求権を有する債務者が減少傾向にあるのは事実です。しかし、時効成立時期は借入者ごとに異なるため、2016年に一斉に消滅するわけではありません。RVH社は、過払金返還請求に関わる広告案件の需要は当面継続すると見込んでいます。
RVH社の戦略は、子会社である株式会社リーガルビジョンを通じた法律系士業へのサービス提供強化です。既存顧客基盤を活用し、「法律の窓口」などのポータルサイトのコンテンツ拡充を通じて、インターネットサービスとネット広告事業の収益向上を目指しています。
結論:時効成立後も続く課題と対応
過払金利息返還請求権の消滅時効は、貸金業や関連業界に大きな影響を与えています。時効成立後も、関連する法的サービスへの需要は一定程度継続すると考えられます。RVH社のように、変化に対応し、新たなビジネスモデルを模索する企業の動向が、今後の業界の動向を左右するでしょう。この問題の長期的な影響を注視していく必要があります。
会社情報
- 会社名
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株式会社RVH
- 住所
- 東京都港区赤坂2-13-5赤坂會舘ビル5階
- 電話番号
-
03-6277-8031