レナカパビル、感染ゼロ達成
2024-07-08 15:14:37
年2回投与のHIV予防薬レナカパビル、第III相試験で史上初の感染ゼロ達成!ギリアドが画期的な結果を発表
年2回投与のHIV予防薬レナカパビル、第III相試験で史上初の感染ゼロ達成!
ギリアド・サイエンシズは、年2回投与のHIV-1カプシド阻害剤レナカパビル(注射剤)が、第III相ピボタルPURPOSE 1試験の中間解析において、シスジェンダー女性に対するHIV予防の研究において100%の有効性を示したことを発表しました。これは、HIV予防試験において史上初の感染ゼロという画期的な成果となります。
PURPOSE 1試験は、南アフリカとウガンダで、16~25歳のシスジェンダー女性および少女、5,300名以上を対象に実施されました。レナカパビルは、1日1回経口投与のツルバダ(エムトリシタビン200mgおよびテノホビルジソプロキシルフマル酸塩300mg:F/TDF)およびバックグラウンドHIV発生率(bHIV)との比較で優越性が示され、有効性評価項目を達成しました。レナカパビル群の2,134名の女性において、HIV感染例はありませんでした(発生率:0.00/100人年)。一方、F/TDF群では、1,068名の被験者のうち、感染例は16件でした(発生率:1.69/100人年)。
この結果を受けて、独立データモニタリング委員会(DMC)は、ギリアドに対し、試験の盲検期を終了し、全ての被験者に対してレナカパビルを非盲検で投与することを推奨しました。
レナカパビル、HIV予防の新たな選択肢となるか
ギリアドのチーフ・メディカル・オフィサー、マーダッド・パーシー(Merdad Parsey, MD, PhD)は、「感染ゼロかつ100%の有効性を示した、年2回投与のレナカパビルは、HIV感染予防に対する重要かつ新たなツールとしての可能性を示しました。」と述べています。
レナカパビルは、従来の経口PrEP薬に比べて、年2回投与という利便性があり、アドヒアランスの向上と持続性の向上が期待されます。また、経口PrEP薬の服用・保管の際に一部の人々が直面し得るスティグマや差別解消の一助となるとも期待されています。
今後の展開
ギリアドは、レナカパビルが承認された場合、最も効果を発揮させるため、アクセスの確保が重要であると考えています。特に、発現率が高く、資源が限られている主に低・中所得の国々に対して、アクセスに関するアプローチについて、パートナーコミュニティに説明し、公式声明を出す予定です。
レナカパビルは、シスジェンダー女性におけるHIV予防としての使用について研究段階にあり、安全性や有効性は確認されておらず、世界のいずれの国においても承認されていません。今後は、他のPURPOSE試験の結果や規制当局の承認などを踏まえて、レナカパビルがHIV予防の新たな選択肢となるかどうかが注目されます。