札幌市でのAIエージェント実証実験が始動
札幌市がAIエージェントの実証実験をスタートさせることが発表されました。この取り組みは、株式会社NTTデータ北海道とNTTアドバンステクノロジ株式会社が共同で行い、行政内部の事務を効率化し、処理の精度を向上させることを目的としています。
1. 実験の背景と目的
札幌市の行政業務には、旅費の計算、チケット手配、出張行程の決定など、多様な手続きがあります。これらの手続きは条例や規則に基づいており、運用が複雑なため、理解不足によるエラーや修正作業が発生しやすくなっています。特に、出張頻度が低い部署では、知識を習得するコストに対する効果が小さく、職員の負担も増大します。
そのため、今回の実証実験では、生成AI「RelAi」と国産RPA「WinActor」を連携させ、旅程作成や規程確認の自動化を図り、業務の効率化を目指します。
2. 実証実験の概要
(1)期間
本実証実験は、2025年11月28日から2026年3月31日までの予定で実施されます。
(2)実証環境
実証には、申請者と対話を行うアプリケーション、全体のフローを制御するWinActor、旅費規程を管理するRelAiナレッジアシスタントが連携します。これにより、申請者が必要な情報をスムーズに取得できるシステムを構築します。
3. 実施内容
AIエージェントは、出張日や出発地、到着地などの情報を問い合わせることで、適切な旅程を提示します。この過程で、作業時間の短縮やエラーの防止、職員の負担軽減に関する効果を確認します。
また、実際の運用に向けた課題も抽出され、今後の改善策につなげられる予定です。
4. 今後の取り組み
実証を通じて得た知見や課題をもとに、NTTグループはAI関連サービスを改良し、札幌市をはじめとする全国の自治体の業務効率化に貢献することを目指します。
この実証実験は地元行政の効率化にとどまらず、全国的な展開が期待されています。
結論
札幌市でのこの実証実験が成功すれば、他の自治体へと波及し、行政業務全般におけるAIの導入が進む可能性があります。産官連携による新しい技術の実現は、より良い社会の形成につながるでしょう。