小水力発電所着工
2021-04-26 17:47:37
再生可能エネルギーを活用した小水力発電所の着工式が富山県で行われる
富山県の小水力発電所着工式について
2023年、富山県朝日町笹川地区で小水力発電所の着工式が行われました。このプロジェクトは、株式会社深松組が再生可能エネルギー固定買取制度(FIT)を活用し、地域の水道施設の改良に寄与することを目的とした日本初の取り組みです。
プロジェクトの背景
笹川地区は、約100世帯が暮らす集落で、地方創生に直面しています。朝日町全体の人口は11,334人で、笹川地区の住民は259人と少なく、集落の存続が危ぶまれています。老朽化した水道施設の更新には約3億円が必要とされ、それに追いつかない財政状況から地域の未来が不透明だったのです。深松組は、創業以来、水力発電所の建設を通じて地域に貢献してきた会社であり、この課題を解決するために新たな事業スキームを考案しました。
プロジェクトの概要
この小水力発電所は、笹川の清流を利用して発電を行い、その売電収入を地域の水道施設の新設費用に充当します。また、信託方式を採用することで事業の持続性を確保し、万が一深松組が経営困難に陥った場合でも地域住民に安定した水道供給が続けられます。これにより、地域のインフラの維持が実現されるのです。
特徴と地域への影響
このプロジェクトには以下の特長があります。
1. 再生可能エネルギー固定買取制度(FIT)の活用: 国が通常価格よりも高く買い取るFIT制度を利用し、売電によって水道施設の新設費用を確保。
2. 信託方式の採用: 倒産隔離機能により、地域住民への安定供給を保証。
3. 地域雇用の創出: 水力発電所の管理は地元住民からなる一般社団法人が行い、地域経済にも寄与します。
発電に関する技術情報
新設される小水力発電所は、取水地点の標高EL.186.95mから総落差88.86mを有し、笹川の流量に適した縦軸フランシス水車が採用されています。理論的には年間を通じて発電可能で、定格出力は約199kW、年間の発電量は約1,370MWhを見込んでいます。水の取水から放水までの導水距離は1092.1mとなります。発電所の稼働は2023年の秋、簡易水道改良工事は2024年度に完成予定です。
地域の協力による実現
このプロジェクトは、朝日町が水道設備新設費用を約30%補助し、地域住民や笹川生産森林組合、北陸銀行など地域社会が一体となって支えています。これにより、小水力発電の実現に向けた土台が築かれています。
地域住民も参加し、地域の未来を見据えた持続可能な取り組みが進んでいることに大いに期待が寄せられています。
まとめ
深松組の新たな小水力発電所建設プロジェクトは、地域の存続に寄与するだけでなく、持続可能な社会への第一歩となります。この取り組みが地域のモデルケースとなり、他の地域における類似のプロジェクトの促進につながることを望みます。
会社情報
- 会社名
-
株式会社深松組
- 住所
- 宮城県仙台市青葉区北山一丁目2番15号
- 電話番号
-
022-271-9211