JLLが示す2026年アジア太平洋のホテル投資見通し
2025年11月13日、総合不動産サービスの大手JLLは、アジア太平洋地域でのホテル投資市場についての最新の分析結果を発表しました。今後の経済の不透明要因にもかかわらず、同地域のホテル投資は堅実な成長を続けるとされています。
投資額の見通し
JLLの予測によると、アジア太平洋地域の2026年におけるホテル投資額は約133億米ドルに達する見込みで、2025年の119億米ドルを上回る計算です。これは、旅行需要の回復と観光トレンドの改善が背景にあるとされています。特に日本、シンガポール、オーストラリアは引き続き魅力的な投資先とされており、観光業界の復興がこの成長を後押ししています。
供給と需要のバランス
JLLの分析では、売り手市場である本地域の特徴が浮き彫りになりました。高い需要がある一方で、取得可能な物件が限られているため、投資対象の物件はプレミア評価を受けやすい状況です。また、新興市場を含むさまざまな地域での投資機会も割安感があり注目されています。
マクロ経済と投資戦略
マクロ経済の不透明感が持続していることから、機関投資家におけるデューデリジェンス(適正評価)の手続きに時間がかかる傾向があります。この影響で、投資戦略はより選択的になっており、資産の品質や事業基盤の強さが重視されるようになっています。このことは、地域全体の投資環境の安定化にも寄与しているといえます。
観光業の復活
国連世界観光機関(UN Tourism)は、2025年の外国人旅行者数の増加を予測しており、前年比で3〜5%の成長が見込まれています。2025年上半期には外国人旅行者数が前年同期比で11%増加し、コロナ前の水準に近づいています。特に北東アジアは20%の顕著な回復を見せており、日本やベトナムなどが中心となっています。
収益指標の安定性
また、2026年に向けた収益指標も投資の安定性を補強する要因となっています。アジア太平洋地域のホテル業界では、2025年8月時点でRevPAR(営業可能な客室1日あたりの収益)が3%増加するなど好調な業績が報告されています。投資資金の流動性は日本、オーストラリア、大中華圏、シンガポール、韓国の5市場に集中しており、今後の成長が期待されています。
日本市場の魅力
JLL日本ホテルズ&ホスピタリティ事業部の阿部有希夫氏は、日本市場の魅力を強調しています。訪日外国人観光客の増加により、ホテル業績が堅調に推移しており、円安が海外からの旅行需要を高めています。銀行からの借入コストも低水準で維持しており、2026年も日本はアジア太平洋地域の主要なホテル投資先としての地位を保つ見通しです。
結論
アジア太平洋地域のホテル投資市場は依然として成長の期待を集めています。短期的な逆風がある一方で、長期的な観光需要の回復や堅実な経済基盤が投資を支える原動力となるでしょう。これにより、投資家たちはアジア太平洋地域の成長性を見越した戦略を展開しています。今後の動向に注目が集まります。