ヘアカラー専門店『fufu』が17億円調達、事業拡大とDX推進へ

ヘアカラー専門店『fufu』が新たな成長の一歩を踏み出す

株式会社Fast Beauty（以下、Fast Beauty）は、東京都港区に本社を構える企業で、ヘアカラー専門店『fufu』を展開しています。特に、顧客の要望に応える形で即効性と高品質のサービスを提供していることが評価されています。このたび、Fast BeautyはシリーズBラウンドにおいて、エクイティとデットを組み合わせた形で、総額約17億円の資金を調達しました。この資金は、店舗拡大やデジタル・トランスフォーメーション（DX）基盤の強化、さらには海外展開の加速に使用される予定です。

顧客との関係構築を重視

美の市場は成熟化する中で、Fast Beautyは、世界中で140店舗以上を展開し続けるヘアカラー専門チェーン『fufu』を通じて、お客さまとの継続的な関係構築に力を入れています。顧客一人ひとりに対してよりパーソナライズされた体験を提供できるよう、店舗は単なる施術の場ではなく、対話やデータが循環する空間として機能しています。これにより、顧客のニーズに応える新たなサービスの提供が実現されつつあります。問題解決を図るための自社開発の予約管理システム「cip」を通じて、ユーザーデータの蓄積とそれを活用したサービスの向上が進行中です。

OMOモデルのさらなる深化

Fast BeautyのOMO（Online Merges with Offline）モデルは、店頭だけでなくオンライン上でも顧客との双方向の関係を強化し、特に「ヘアケア診断」を通じて施術中の対話およびデータ記録を行っています。この方式により、顧客のニーズや体験をアプリ上に反映することができ、約8割の来店者から得られた貴重なデータが今後の商品提案に役立てられています。このように、オンライン・オフラインの体験を連携させることで、顧客満足度の向上と新しい価値創出を実現しています。

新たな資金使途と長期戦略

今回の資金調達は、短期的なものに留まらず、長期的な成長戦略を支える基盤となります。エクイティの資金は出店やDX、海外展開に使用され、デット資金は新店の設備投資や運転資金に充てられます。これにより、Fast Beautyは、事業成長を支えるための安定した財務基盤を構築することを目指しています。主要な株主には「NVenture Capital」や「AGキャピタル」などが名を連ね、CVCとの連携も深めています。

社長高橋賢の言葉

代表取締役社長の高橋賢は「お客さまが気軽に通えるヘアカラー専門店であることを目指している。これまでの取り組みをさらに拡充し、より多くの方々に『fufu』を利用していただけるよう努めていきたい」と、今回の資金調達にかける意気込みを述べています。これは単に出店の増加ではなく、顧客一人ひとりに寄り添ったサービス提供をさらに向上させていくためのステップとなるでしょう。

今後の展望

今後3年間で、Fast Beautyは国内外に200店舗を展開することを目指しています。この目標を達成するためには、データの活用を重視し、顧客の体験価値を向上させることが鍵となります。AIによるパーソナルな提案や商品展開を進め、さまざまな角度から顧客との関係を深めていくことが予想されます。また、働く美容師たちの労働環境の改善にも努め、「長く、楽しく、働ける」職場の実現を目指します。こうした施策を通じて、Fast Beautyは美容業界における新しい成長モデルを示していくことでしょう。