NTTファシリティーズ、データセンター建設の新手法で工期を半減へ
株式会社NTTファシリティーズは、データセンターの建設において新たにモジュール型建築手法の開発に着手しました。これにより、施設の申請や設計、施工にかかる時間を大幅に削減し、特にハイパースケーラー向けの大規模データセンターの需要に応えることを目指しています。
データセンター需要の急増と課題
近年、生成AIの普及やICTサービスの高度化が進む中で、データセンターの需要は急速に拡大しています。しかし、日本国内におけるデータセンターの建設は、設計から竣工までに約3年から4年を要することが一般的で、この長期化が大きな課題となっています。この理由には、日本特有の地震リスクに基づく建築基準法の厳格な適用や、建設業界の人手不足、さらにはITサーバーの急激な性能向上による仕様変更の発生などがあります。
この問題を解決するため、NTTファシリティーズは「Hyper Ready Module™」という新しいデータセンターモデルの開発を進めています。このモデルでは、すべての設計から建設のプロセスを標準化し、申請期間を1年、建設工期も1年に抑え、全体のプロジェクト期間を約2年に短縮することを目指しています。
モジュール化による工期短縮
建築のモジュール化
まず、建築においては日鉄エンジニアリングと提携し、主要部材を工場で生産してそれを現場で組み立てる方式を採用します。この方式により、基礎や擁壁、鉄骨、外壁、屋根の五大要素をモジュール化し、工期の短縮を図ります。特に空調や電気設備は屋外に配置し、建物自体は低層かつ軽量化することで、耐震構造を確保しつつ免震化されたデータホールを実現します。このアプローチは、各種申請期間を短縮させる効果があります。
設備のモジュール化
次に、IT環境に対応するための配管や配線を工場で事前にユニット化し、現場で迅速に組み立てるDfMA(Design for Manufacture and Assembly)手法を用います。これにより、施工プロセスの効率化が図られ、全体の工期短縮が現実のものとなります。
地震に対するレジリエンス設計
NTTファシリティーズは、地震リスクを考慮した高い信頼性のある構造設計にも注力しています。レジリエンス設計を採用し、地震時における設備への影響を最小限に抑えるため、建物本体や構造部材に制振材を導入することで、高効率のBCP(事業継続計画)性能を維持しつつ、求められるレジリエンス基準を満たすことを目指しています。
今後の展開
NTTファシリティーズは、2028年度中のこの新しいデータセンターモデルの実現を目指し、業界関係者との連携を進めています。データセンターの高密度対応やカーボンニュートラルの達成、地域との調和を図りながら、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでいく方針です。
この新手法の導入により、データセンター建設の工程は大きく変わり、業界全体にポジティブな影響をもたらすことが期待されています。