調査概要と特長
2022年3月から4月にかけて、全国の人事担当者や経営者を対象に行われた『日本の人事部 人事白書2022』の調査結果が発表されました。累計5200社が参加したこの調査は、企業における人事や組織の課題に対する傾向を明らかにし、その解決策を提案するものです。人・組織に関連するテーマを8章にわたって網羅しており、定量データに加え、直面している問題やその解決策についての自由記述の回答も多数収録されています。
各分野の専門家による分析
本白書では、各分野の有識者が調査結果を分析しており、今後の施策についての提言が行われています。戦略人事、人事課題(ウェルビーイング、パーパス、職場の関係性)やダイバーシティ&インクルージョンなど、現在注目されているテーマについて、専門家の視点が加わることでより実践的な内容となっています。
戦略人事の現状
興味深いことに、参加した企業の約9割は「戦略人事」の重要性を認識しているものの、その実行割合は約3割にとどまっています。具体的には、86.7%が「戦略人事が重要である」と回答したのに対し、「戦略人事として機能している」との回答は29.9%でした。このギャップは、多くの企業が重要性を認識しながら実行に移せていない現状を示しています。
ダイバーシティ&インクルージョンの影響
また、ダイバーシティ&インクルージョン戦略を重視する企業は、社員の希望をキャリア形成に反映できているとの結果が出ています。特に重視している企業では、53.8%が「どちらかといえばできている」と回答しており、反対に重視していない企業では「できていない」が46.5%となっています。これは、ダイバーシティ&インクルージョンが企業文化や雇用システムに与える影響の大きさを浮き彫りにしています。
ジョブ型雇用の導入
さらに、ジョブ型雇用については、多くの企業がその導入をポジティブに捉えていることが報告されています。おおよそ9割の企業が「従業員の役割が明確になる」と回答しており、約7割は「主体的なキャリア形成を促す」としています。逆にジョブ型雇用のデメリットとして、「ジョブローテーションが難しくなる」という意見が約8割から上がっています。
ハイブリッドワークの未来
ハイブリッドワークに関しても注目が集まっています。コロナ禍の影響でリモートワークが普及する中、多くの企業が今後の働き方としてオフィスとリモートを併用するモデルを目指しております。具体的には、82.4%がハイブリッド勤務を選択肢として挙げています。これらのデータは、現代の働き方に対する企業の考え方が大きく変化していることを示しています。
結論
『日本の人事部 人事白書2022』は、今後発展していく人事制度や働き方を探るための貴重な資料となっています。本書では実際の調査データおよび専門家の insights を通じて、企業が直面する人事課題の解決に向けた具体的な方向性を示しているのです。日本の企業が労働環境や企業文化の変化にどのように適応していくのか、今後の動向に注目です。
購入情報
本書の詳細や購入希望は、
こちらのリンクを参照してください。
- - 調査時期:2022年3月7日〜3月31日
- - 調査対象:日本の人事部 正会員
- - 調査方法:Webサイトでの回答受付
- - 回答数:のべ5200社、5441人
- - 質問数:153問
- - 収録テーマ:戦略人事、採用、育成、制度・評価・賃金、ダイバーシティ&インクルージョン、働き方、組織開発、注目の人事課題
- - 定価:データ版8,800円、製本版8,800円、データ・製本セット版11,000円(消費税込)