リテルヒューズ、パワーセミコンダクタ市場に新風 高性能シリーズで競争激化
回路保護分野におけるグローバルリーダー、リテルヒューズ社が、パワーセミコンダクタ製品ラインナップを大幅に拡充しました。2024年4月下旬、新シリーズ「MBRシリーズ」と「DURシリーズ」の計53製品を市場に投入、初年度1000万円の売上を目指します。
高効率と高速性を両立 新シリーズの特徴
今回発表された「MBRシリーズ」はショットキーバリア整流器、「DURシリーズ」は超高速整流ダイオードです。いずれも、最新のシリコンショットキーダイオード技術を採用。従来製品を凌駕する性能を実現しています。
「MBRシリーズ」は、高速スイッチングが特徴。UPSや高周波スイッチモード電源など、高速動作が求められる用途に最適です。
一方、
「DURシリーズ」は超高速スイッチングと極めて短い逆回復時間を両立。高いブロック電圧(最大1200V)と低いリーク電流も魅力です。IGBTなどの高周波スイッチングデバイスとの組み合わせにも最適です。
両シリーズ共通の特長として、順方向電圧降下の低さ、優れた接合部温度性能、そして低い熱放散が挙げられます。これにより、電力損失を最小限に抑え、コンバータの動作効率を大幅に向上させることが可能になります。過酷な高温環境下でも安定して動作するため、信頼性も抜群です。
幅広い用途に対応 市場への浸透目指す
「MBRシリーズ」はUPS、高周波スイッチモード電源、DC-DCコンバータ、フリーホイールダイオード、極性保護ダイオードなど、多様な用途への適用が期待されます。
「DURシリーズ」は、UPS、高周波スイッチモード電源、DC-DCコンバータ、フリーホイールダイオードに加え、IGBTなどの高周波スイッチングデバイス用のアンチパラレルダイオード、極性保護ダイオード、さらには誘導加熱、溶断・超音波洗浄機、溶接機といった産業機器にも適用可能です。
リテルヒューズ社は、国内販売代理店11社を通じてこれらの製品を販売。多様なニーズに対応することで、市場におけるプレゼンスを拡大していく考えです。
製品仕様
シリーズ名 | パッケージタイプ | 製品数 |
---|
- | - | --- |
MBRシリーズ | D2PAK/TO-263:4, DPAK/TO-252:3, ITO-220AB:16, TO-220AB:7, TO-220AC:1, TO-247AD:2 | 33 |
DURシリーズ | D2PAK/TO-263:2, DPAK/TO-252:1, ITO-220AB:7, TO-220AB:4, ITO-220AC:2, TO-247AC:3, TO-247AD:1 | 20 |
※いずれのシリーズも、指定のパッケージタイプに合わせたリールまたはチューブでの販売となります。
リテルヒューズ社について
1927年創業のリテルヒューズ社は、回路保護、電力制御、センサー分野で世界をリードする企業です。ヒューズ、半導体、ポリマー、セラミック、リレー、センサーなど、幅広い製品をグローバルに提供しています。
株式会社リテルヒューズについて
株式会社リテルヒューズは、リテルヒューズ社の日本法人として1997年に設立。国内顧客への技術サポート、販売、品質保証などを担っています。
まとめ
リテルヒューズ社の新たなパワーセミコンダクタ製品は、高い性能と多様な用途への対応で、市場に大きなインパクトを与える可能性を秘めています。今後の展開に注目が集まります。