地域経済を活性化する「くまモン!Pay」のマーケティング戦略とは

熊本県を代表するキャラクター「くまモン」を冠した決済サービス「くまモン!Pay」が、2025年に始動します。このプロジェクトは、地元企業の活性化を図り、地域の資金とデータを循環させることを目的としています。運営は、株式会社肥後銀行が行っており、そのマーケティング戦略の支援をアイリッジとグループ会社のQoilが担っています。

どうやって差別化を目指すか

スマートフォン決済市場は競争が激化しており、その中でどのように差別化を図るかが重要な課題です。アイリッジは、90を超える金融機関アプリへのマーケティングツール導入実績を持ち、アプリ成長支援に特化した「APPBOX」を提供しています。このプラットフォームを通じて、業界トップレベルのアプリビジネス支援を行うという方針です。

アイリッジとQoilは、「くまモン!Pay」のサービス提供価値や肥後銀行の強みを整理し、情緒的価値を重視した戦略を提案しました。「熊本を愛する人たちのための決済サービス」として、利用者の心に届けるメッセージをしっかりとデザインしています。

コミュニケーション戦略の設計

「くまモン!Pay」のコミュニケーション戦略は、地域特性や文化を理解しながら進められました。Qoilのプランナーたちは、肥後銀行と共に、本サービスのコンセプトを消費者の言葉に変換し、クリエイティブを練り上げました。ここで設定されたタグライン、「くまもとが、すきだけん。くまモン!Pay」は、地域愛を感じさせる重要なフレーズです。

本プロジェクトでは、サービスサイトや各種プロモーション素材も制作されました。アプリ開発段階から、テストや運用段階におけるマーケティング戦略設計を支援しています。具体的な成果物として、ポスターやサイネージ、チラシ、登りなど、多岐にわたるクリエイティブが展開されています。

地域振興に向けた取り組み

肥後銀行の担当者は、「くまモン!Pay」が地域のニーズに応える決済サービスであり、地域経済の活性化に寄与することを目指していると述べています。今回のプロジェクトでは、開発に向けた理念や目的は明確でしたが、実際に利用者に伝えるためのマーケティング施策については、方向性が見いだせていない状況でした。

プロジェクトメンバーは、何度も熊本に足を運び、地域特性や文化を学びながら、コミュニケーション戦略の構築を進めました。これにより、肥後銀行の担当者も、今後のサービス企画に役立つ知見を得ることができたと評価しています。