三笠宮彬子女王殿下のトルコ公式訪問：文化外交の新たな歴史を刻む

三笠宮彬子女王殿下のトルコ訪問

2025年9月14日から21日までの間、三笠宮彬子女王殿下はトルコ共和国を公式に訪問されました。本訪問は、日本とトルコの外交関係樹立100周年を祝うものであり、両国の文化的絆を深める重要な機会となりました。

女王殿下は、シャンルウルファ県に位置するアヤンラル・ホユック遺跡を訪れ、ここでの古代遺跡の視察を通じて日本とトルコの考古学の新たな協力体制の構築を目指しました。さらに、来年発足予定の大規模な発掘プロジェクト「タシュテペレル（石の丘群）」に関する発表も行われ、これには千葉工業大学やアナトリア考古学研究所が関与します。

歴史的儀式と新たな発見

訪問中、彬子女王殿下は祖父の三笠宮崇仁親王殿下が使用していた鍬を手にし、発掘の儀式を行いました。この場面は、歴史的な意味合いを持ち、新たな歴史のページを開く瞬間として多くの注目を集めました。女王殿下の訪問は、1万2000年前に建造された「ギョベクリテペ」を訪れ、新たに発見された人像の最初の視察者となりました。この人像は祭祀生活に関する理解を根底から変える可能性を秘めており、考古学界においても大きな関心を呼ぶものとなっています。

文化外交の成果

彬子女王殿下は、トルコ・イスラム美術博物館で「日本・トルコ外交関係樹立100周年記念日本陶磁展」の開幕式にも出席され、日本の優れた陶磁器59点がトルコで初めて展示されることとなりました。この展覧会は、昨年東京で開催されたトルコ展の成功を受けたものであり、日本の文化をトルコで広める重要な機会となりました。

三世代にわたる友好の象徴

三笠宮家は三世代にわたりトルコとの関係を深めてきたことが今回の訪問でも象徴されました。彬子女王殿下はトルコのメディアや市民からも注目され、爪には日本とトルコの国旗をあしらったデザインを施され、この友情の証が多くの注目を浴びました。また、カマン・カレホユック遺跡でもアナトリア考古学研究所を訪問し、国際的な考古学協力の模範としての役割や、日本国内外の文化交流の重要性を強調されました。

未来へ向けた科学的協力の拡大

この訪問は、日本の考古学研究や文化交流、学術的な協力を拡大するきっかけとなることが期待されています。今後、日本の大学や研究機関がトルコにおいて新たな研究やプロジェクトに参加する機会が増えるでしょう。これにより、日トルコ外交関係の深化とともに、考古学的発見における日本の国際的な役割がより一層重要なものになることが期待されています。