nexOSの運用開始
株式会社ArchNexが開発したビルOS「nexOS」が、静岡県にある株式会社Iroribiの施設「Tech node」に導入されました。これにより、空調、照明、自動ドア、スマートロックなど、30種類以上の設備を統一的に管理し、次世代スマートビルの運用をスタートさせます。
導入の背景
築年数が経つにつれ、建物に設置される設備の数は急増しています。しかし、それに伴い、設備間の運用が分断されるという課題が浮上しています。ベンダー毎に異なるユーザーインターフェースや通信方式のため、管理が煩雑になることが多く、運用に支障を来すことが懸念されています。こうした背景を受けて、「nexOS」は様々な設備やデータを統合して管理できるプラットフォームとして開発されました。
nexOSでは、Brick SchemaやRealEstateCoreといったオントロジーを使い、情報を意味的に管理。そして、標準化されたインターフェースによって多種多様な設備と接続可能です。ユーザーは直感的に操作でき、自律性の高い環境を整えることを目指しています。
Tech nodeの位置づけ
「Tech node」は、株式会社Iroribiが技術開発や新サービスの実証を目的として運営する拠点です。ここでは照明、空調、スマートロック、監視カメラ、自律移動ロボットなど多様な設備を統合し、連携・制御するための場が提供されています。nexOSは、ここでの検証を通じて実際の運用実験や設備との連携検証を実施し、その実用性を高めていきます。
nexOSの主な技術特徴
nexOSではBrick SchemaとRealEstateCoreを活用し、設備情報や運用データを意味的に統合。これにより、最適な制御や高度な分析が可能です。
多様な設備を標準インターフェースで接続することにより、nexOSを通じて様々な状態の確認や制御が可能になります。これにより、効率的なビル管理が実現できます。
大規模言語モデル(LLM)を用いることで、自然言語での問い合わせが可能です。迅速かつ的確なビル管理の支援が行われ、設備の操作も自律的に行えるようになります。
nexOSはオープンなREST APIを提供しており、サードパーティの開発も積極的に支援します。これにより、外部サービスとの連携もスムーズになります。
今後の展開
nexOSは今後、ビル運用に関連する様々な業務やサービスとのさらなる連携を予定しています。空調や照明制御に限らず、設備点検や清掃などのメンテナンス分野もカバーするアプリケーションの実現を目指しています。また、ロボットとの連携を通じて巡回、清掃、案内といったタスクを統括し、新たなビル運用モデルを構築していくことも計画中です。
さらに、デジタルサービスを安全に活用するために、ユーザー毎のアクセス権限や設備操作の履歴管理に関する技術の開発にも力を入れていく意味を持ちます。これにより、複数のテナントや外部サービスと柔軟かつ安全に連携できるスマートビルの基盤が整備されるでしょう。
まとめ
nexOSの導入によって、ビル内のさまざまな設備の統合管理が実現されることで、効率的で未来志向のビル運用が進められます。今後の展開に期待が寄せられます。