不動産業界の最新調査結果とエンドユーザーの懸念
株式会社いえらぶGROUPは、2025年の不動産市況に関する詳しいアンケート調査を行い、182の不動産会社と883名のエンドユーザーから得られた情報を基にした結果を発表しました。昨今、日本の不動産市場は急速な変化を迎えており、特に金利の上昇や地価の変動がその背景にあります。この調査を通じて、エンドユーザーと不動産業者の双方が直面している課題と意識の違いが浮き彫りになりました。
調査の背景と目的
2025年における不動産市況は、金融政策の変更や地価の上昇、そして住宅ローン減税制度の見直しが要因で大きく影響を受けています。これにより、省エネ基準を満たしていない住宅が今後、住宅ローン減税の対象から外れる可能性が高まっています。このような状況を踏まえ、本調査は不動産会社がどのように市況を見ているのか、またエンドユーザーがどのようにその影響を受けているのかを明らかにすることを目的としています。
住宅購入の意義と懸念
不動産会社に「現在、住宅購入は『買い時』だと思いますか?」と問うた結果、「買い時だと思う」と回答したのはわずか28.0%に留まりました。エンドユーザーの側では、80.6%が金利の上昇を懸念しており、住宅購入に対して大きな不安を抱いています。「条件次第では買いたい」という消極的姿勢が多く見られました。
特に金利の影響を強く受けていることが伺えます。多くの不動産会社は、将来的な地価の上昇を見越して購入を提案しているものの、エンドユーザーの慎重な姿勢がもうかがえます。具体的には、エンドユーザーの43.1%が金利上昇が購入意欲に「大きく影響する」と感じています。
賃貸市場の見解
賃貸市場においても見解は分かれています。「借り時」と感じる不動産会社はわずか30.7%にとどまり、エンドユーザーは立地やセキュリティなどに加えて、省エネ性能に対する関心も高まっています。この状況から、必要な条件をクリアした物件の需要が高まっていることも明らかです。エンドユーザーの意見を見ても、駅近や交通の利便性が重視されている一方で、家賃の割安感と省エネ性能も重要視されています。
不動産会社の今後の戦略
2025年の後半に向けて、不動産会社は「集客強化」や「顧客管理・追客の見直し」を重視しています。特に、顧客からの質問や相談が減少している状況が続いているため、能動的に顧客との接点を増やし、成約へとつなげる戦略が求められています。これは、市場の不確実性が高まり、エンドユーザーが情報収集にかかる時間を長くしている傾向を反映しています。
これにより、住宅ローンの金利上昇や法改正などの複雑な情報を迅速かつ的確に提供することが求められています。キーポイントは、エンドユーザーの潜在的なニーズを引き出し、確実な成約につなげることです。
まとめ
株式会社いえらぶGROUPの調査結果から、「買い時や借り時」が不明瞭な現状が浮かび上がり、金利上昇がエンドユーザーの懸念材料として大きく影響していることが分かりました。今後は不動産会社が受動的な姿勢ではなく、能動的に情報提供や顧客管理を進めることが重要です。このような市場環境の中で、業界全体が持続的な成長を目指す戦略が求められています。
不動産市場における不確実性が高まる中で、誰もが安心できる住まい選びの実現に向けて、いえらぶGROUPは今後も業務支援を強化していく方針です。