アルツハイマー病検出の新たなアプローチ
最近、MIG株式会社と南東北グループ医療法人財団健貢会の総合東京病院によって、アルツハイマー病を早期に検出するための新しい方法が開発されました。この研究の成果は、特に年齢や認知機能に課題を抱える患者にとって、大きな福音となることでしょう。
研究の背景
この共同臨床研究は、MIGが展開する「VRゴーグルを用いた脳健康測定」に基づいています。2021年から始まったこのプロジェクトでは、軽度認知障害(MCI)と診断された患者を対象に、VRを利用した脳機能の測定が行われました。従来の認知機能検査では捉えきれない問題を、VR技術を用いることで解決しようとする試みです。
研究の成果
最も注目すべき成果は、研究の成果が『Journal of Alzheimer’s Disease』誌に掲載されたことです。研究タイトルは「Path integration detects prodromal Alzheimer’s disease and predicts cognitive decline」で、主著者である羽生春夫医師を含む研究チームが6名の共著者を持つことが特徴です。
この研究によれば、VRを用いた経路統合能力のタスクは、MCI患者の中でも特にアルツハイマー型認知症のリスクが高いグループと安定したグループを高い精度で識別できることが明らかになりました。さらに、この検査を受けた患者の認知機能が12ヵ月後に低下するかどうかも予測できるとのことです。
検査の利点
このVR脳健康測定法は、非常に短時間で実施できる非侵襲的な検査で、高度な神経画像検査に匹敵する性能を持つとされています。簡便で安価でありながら、前駆期アルツハイマー病患者に対するアミロイドβ修飾薬の治療選択に役立つスクリーニングツールとして期待されています。
関係者のコメント
MIG株式会社の代表取締役社長・甲斐英隆氏は、共同研究の意義について「この新しい測定アプローチによって、多くの未病者をタイムリーに発見し、治療を受ける機会を提供できれば」と述べています。また、南東北グループの羽生春夫院長は「この検査方法は簡単に実施でき、短時間で結果が得られるため、非常に有望です」と強調しました。
今後の展望
MIG株式会社と南東北グループは、11月22日に日本認知症学会でこの研究成果を発表です。この機会に、多くの医療機関に対する広がりが期待されます。
さらに、南東北グループでは認知症治療の強化に向けた取り組みを進めており、MIGとの連携を強化することで、患者に必要なサービスを迅速に提供できる体制を整えています。
総括
この新しいVRを使用したアルツハイマー病の検出方法は、今後ますますの発展が期待され、研究成果がさらなる医療の進展に寄与することが望まれます。将来的には、より多くの人々が検査を受けやすくなり、病気の早期発見や治療の可能性が広がることでしょう。