鈴廣かまぼこ株式会社(神奈川県小田原市、社長:鈴木智博)が特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン(広島県神石高原町、代表理事:大西健丞)との共同研究を通じて、犬における魚肉ペプチドの健康効果を調査した。具体的には、犬の食いつき、毛並みの改善、ストレス軽減効果が確認された。この成果は2025年9月24日から26日まで開催される「令和7年 日本水産学会 秋季大会」で発表された。
研究の背景として、魚肉タンパク質が大豆や乳タンパク質に比べて消化されやすい点が挙げられる。魚肉ペプチドはその消化産物で、健康機能が期待されている。すでに血圧上昇抑制や抗酸化活性が示されている魚肉ペプチドであるが、ペットへの具体的な効果も探求されたところだ。
本研究では、犬20頭を対象に、体重10kgあたり8gの魚肉ペプチドを含む市販の配合飼料を与え、食いつき、毛並み、ストレスレベルに及ぼす影響を30日間にわたって観察した。食いつきは、魚肉ペプチドを追加したことで有意に向上し、毛並みの評価(VASスコア)でも良好な変化が見られた。また、被毛中のコルチゾール含量は、対照群と比較して低下し、ストレス低減効果が示唆された。
魚肉ペプチドは、簡単にいうと魚のすり身を酵素で分解したものである。このプロセスにより、アミノ酸が迅速に体内に吸収されるため、健康維持や疲労回復に寄与すると考えられている。今回の研究結果からは、犬専用の機能性ペットフードとしての活用可能性が高まった。
また、研究を支援したピースウィンズ・ジャパンは、全国11か所のシェルターで「日本の犬の殺処分ゼロ」を目指して活動している。このプロジェクトは、広島県を拠点にしており、過去には5,000頭以上の犬の譲渡を実現してきた。
鈴廣かまぼこは、小田原で160年以上の歴史を有し、伝統的なかまぼこ製造技術を持つ企業だ。“お魚たんぱくで世界を健やかに”というミッションのもと、新しい商品開発や魚肉たんぱく市場の拡充に取り組んでいる。このように、様々な方面から犬の健康を守るための努力が続けられていることは、飼い主にとっても希望の光である。
このような研究や取り組みは、犬の食事や健康管理に新たな視点を提供するものであり、今後のペットフード市場においても重要な役割を果たすことが期待される。これからも動物の健康をサポートする研究が進むことを願い、愛犬家たちはその成果を心待ちにしている。