古野電気が2025年度人工知能学会全国大会で優秀賞を取得!
兵庫県西宮市を拠点とする古野電気株式会社が、2025年度の人工知能学会全国大会(JSAI2025)において、海洋研究開発機構(JAMSTEC)との共同研究によって開発した「マルチスケール型GNNに基づく海況予測モデルにより全球10日間予測」の研究成果で、全国大会優秀賞を受賞しました。この受賞は、海洋予測技術における画期的な進展と高い学術的評価を受けた成果を示しています。
海況予測の新たな未来へ
本研究では、従来の物理シミュレーションに頼る方法に代わり、AI技術を用いた革新的なアプローチが採用されました。従来の予測方法では、海況予測に数時間から数日を要していましたが、今回の技術では、わずか数分で10日先の海況を正確に予測することができるようになりました。これにより、海運業界や漁業、防災分野など様々な領域に大きな影響を与えると期待されています。
開発の背景と技術
海況の正確な予測は、船舶の運航効率や漁業活動に不可欠な要素ですが、従来の手法では多くの計算時間が必要でした。古野電気は、機械学習を活用した代理モデルが多くの分野で徐々に成功を収めていることに着目し、この技術を全球的な海況予測に適用しました。具体的には、海況データと気象予測データを組み合わせることで、より精度の高い予測を実現しました。この技術により、短期間の予測においても優れた結果が得られることが確認されました。
受賞の意義
今回の受賞は、AI技術による海洋予測の進化を象徴するものであり、業界全体に活力を与えるとともに、古野電気の技術力を再確認させる結果となりました。特に、事業を支えるセンシングや信号処理技術にAIを組み合わせることで、今後も「安全安心・快適、人と環境に優しい社会・航海」を実現するための新たな製品開発へつながる可能性が広がります。
著者と今後の展望
本研究は、海洋研究開発機構の平林祐太氏と松岡大祐氏、そして古野電気の木村考伸氏のチームによって発表されました。今後、古野電気はAI技術を活用した新製品の展開やさらなる研究開発に注力し続け、国際的な競争力を高めていく方針を示しています。未来に向けて、彼らの取り組みはますます目が離せなくなることでしょう。
関連リンク
古野電気株式会社は、1948年に世界初の魚群探知機を実用化して以来、舶用電子機器分野でのリーダーとしての地位を築き上げています。今後も画期的な技術を通じて、世界中の海洋業界に貢献していくことでしょう。