『族長の秋』重版決定
2025-02-21 11:27:22

ガルシア=マルケス『族長の秋』文庫版、発売前重版決定!

2025年2月28日、ガブリエル・ガルシア=マルケスの名作『族長の秋』が新潮文庫から刊行される。これに先立ち、なんと発売前に重版が決定したというニュースが舞い込んできた。これは彼の代表作『百年の孤独』に続く快挙であり、多くの読者から期待が寄せられている。

『族長の秋』は、マルケスの第二作であり、1975年に登場した作品だ。この小説の中心には、独裁的な権力者が君臨する架空の国が描かれており、「大統領」と呼ばれる主人公の行動は格別に凄惨である。果たして彼は何を成し遂げたのか。それは、各所にチラつく残虐行為の数々であり、特に彼の肉体的な権力に対する狂気は、劇画的に表現されている。

ガルシア=マルケスは、彼自身がバルセロナに住んでいた際にこの作品を書き上げたこともあり、その背景には当時のスペイン政権の影響が色濃く残っている。特に、フランコ将軍が病死した年にこの小説は発表されており、南アメリカ大陸が米ソ冷戦の影響を受ける中での現実を舞台にしていることで、作品に深みを与えている。

この新刊の装画は、前作『百年の孤独』同様に三宅瑠人氏が手掛けることが決まっている。彼の美しいデザインは、書籍の価値を一層高めており、国際的な評価も得ている。特に、『百年の孤独』の装幀はコロンビアやラテンアメリカで反響を呼び、NETFLIXのドラマでもアイコンとして採用されるなど、世間からの注目が集まっていた。

さらに、巻末には池澤夏樹氏による新たな解説も収録される。池澤氏は日本で初めてマルケスに目を付け、彼の作品を紹介してきた人物。その解説では、『族長の秋』を「城壁に囲まれた一つの都市」と評し、その文学的価値を深く掘り下げる。

作品のテーマは、権力の真実とその背後に潜む狂気であり、国に何百年も君臨した独裁者の姿は、時にグロテスクでありながらも、現実の縮図を感じることができる。彼は自らの腹心をオーブンで焼き、無数の子供たちを爆破して消し去るという圧倒的な描写が満載だ。

ガブリエル・ガルシア=マルケスは、1927年生まれのコロンビア出身の作家であり、彼のデビュー作『落葉』から数十年が経過した後、1967年には『百年の孤独』を刊行し、一躍有名になった。彼の作品は、南アメリカの文学をけん引する存在となり、1982年にはノーベル文学賞を受賞した経歴も持つ。

『族長の秋』は、『百年の孤独』同様に、多くの読者に深い感動を与える作品として新潮文庫から刊行される。この小説が、また新たな文学の波を生み出すことを期待したい。書誌情報もすでに公開されているため、ぜひ手に取って、その素晴らしい世界を体験してほしい。著者はガブリエル・ガルシア=マルケス、訳者は鼓直氏、定価は1100円(税込)、ISBNは978-4-10-205213-6である。


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株式会社新潮社
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