国内最大規模のローカル5G共創プロジェクトの概要
NTT東日本が2023年11月6日に開始したローカル5G共創プロジェクトは、26社が参加する大規模な実証活動です。このプロジェクトは、ローカル5Gネットワークの普及と利便性向上を目的とし、さまざまな実証を通じて得られたデータや知見をまとめた「共同実証レポート第1.0版」が発行されました。
このレポートでは、265の異なるベンダー間での相互接続実証と、44の組合せを用いたセキュリティ対策の強化実証が行われ、すべて合わせて309の組み合わせでの共同実証が完了しました。これにより、ローカル5G導入のための有益な知見が得られ、社会実装の障壁を取り除く期待が高まっています。
相互接続の実証結果
プロジェクトの参加企業は、NTTの提供する「NTTe-city Labo」に機器を持ち込み、相互接続に取り組んでいます。実証では、265の組み合わせで接続テストを実施し、その成功率は約96%に達しました。この成果により、異なる機器の相互接続が高い割合で実現可能であることが証明されました。残りの接続がうまくいかなかったケースについても、トラブルシューティングの結果、原因が特定され解決されたものも多く、本レポートには成功した組み合わせや留意点、スループットや遅延などの性能結果が詳細にまとめられています。
セキュリティ対策の実証結果
ローカル5Gの重要な要素の一つは、セキュリティの強化です。本プロジェクトでは、ウイルス感染や悪意のあるSIMカードの差し替えが行われた場合を想定したセキュリティ実証が行われ、44の組合せで動作実証が実施されました。こちらも動作成功率が約90%に達し、参加企業が開発したセキュリティソリューションが見事に機能していることが確認されました。
今後の展望
このプロジェクトを通じて得られた知見は、今後ローカル5Gが社会に実装される際の重要な基盤となります。また、インテグレーションコストの削減を図りながら、ユースケースに応じた機器選定の幅を広げるため、O-RAN ALLIANCEの規定に基づき、パラメータ調整の自動化を計画しています。
新たな実証結果や得られた知見は、次回もレポートとして公開し、国内外に周知していく予定です。この共創プロジェクトを通じて、ローカル5Gの社会実装が加速し、各産業のデジタルトランスフォーメーションが進むことが期待されています。
お問い合わせ
本プロジェクトに関する詳細やお問い合わせは、NTT東日本ネットワーク事業推進本部ワイヤレス&センシングビジネス推進室までご連絡ください。メールアドレスは、
[email protected] です。
本プロジェクトの進展は、今後のテクノロジー発展や社会課題解決にも寄与することが期待されています。