新たな観光地づくりへ、伊勢志摩で進行中のプロジェクト
公益社団法人伊勢志摩観光コンベンション機構は、令和7年度に向けて高付加価値旅行者をターゲットにした「iseshima connect プロジェクト」を開始しました。本プロジェクトは、地域経済の活性化と持続可能な観光地の構築を目指しており、様々な観光プランやユニークな体験コンテンツの創出、さらには地域のパートナーとの連携を強化しています。
イベントやワークショップを通じた地域事業者の活性化
本年度、224人の多様な事業者が参加した「脳動ゼミナール」では、伊勢志摩を拠点にする企業から名古屋・東京を中心とした異業種の専門家まで、幅広い分野の知識や経験を活用しています。この共創ワークショップでは、参加者たちが協力し合い、地域に新たな価値を提供する方法を探ります。講師陣には漁師や旅館経営者、移住した研究者やミュージシャンが名を連ね、豊かな知見が共有されました。
1月には、成果発表会が行われ、「脳動ゼミナール」での学びを基に7名が伊勢志摩の未来に向けたビジョンを発表しました。これらの活動を通じて、個々のポテンシャルを引き出し、どのように地域と関わっていくかを考える機会を設けています。また、地元事業者や観光関連の企業との連携を深めることで、高付加価値化を図りつつ新しいビジネスモデルを構築していく方針です。
国際的な協力と情報発信の強化
さらに、このプロジェクトでは国内外のイベントでの積極的なプロモーションにも力を入れています。10月にはサンディエゴにて、日本の真珠や木工のワークショップ、及び食をテーマにしたディナーイベントを実施しました。これにより、地域の文化や歴史を紹介し、海外からの関心を高めることに成功しました。参加したシンガポールのラグジュアリー旅行会社とのネットワーキングイベントでも、関心を寄せる企業が増加し、大きな手応えを得ています。
2024年には観光客の受け入れ実績が前年比で358%増加しており、この流れを受けてさらに海外取引先との関係構築を進めています。また、これまでの取り組みを通じて、インバウンド旅行者数や消費単価の増加が見込まれており、宿泊施設からのフィードバックも好意的です。
持続可能な観光地づくりの目標
プロジェクトの目指す方向性には、地域住民と観光客が共存できる持続可能な地域づくりがあります。インバウンド旅行者が地域に及ぼす影響を慎重に考慮し、47都道府県の中で2%にすぎないインバウンドの割合を10%まで増加させる計画があります。ただし、急激な観光客数の増加に伴うオーバーツーリズムの問題も懸念されており、目標としては訪問者全体の15%以内を目指しています。
統一基準の策定とガイド育成の取り組み
観光サービスの質を向上させるため、タクシー事業者と連携してインバウンド向けのサービス基準の策定に取り組むほか、インバウンド向けのガイド育成にも注力しています。多文化に配慮した柔軟な案内ができる人材の育成が求められており、現役ガイドのサポートを受けながら研修を行なっています。
新たな公式ブランドブックの発行
地域の魅力を一つにまとめた公式ブランドブックを新たに発行し、伊勢志摩の歴史、文化、食に関する内容を盛り込み、多様な体験を提供するコンテンツを作成しました。観光客がより深く地元の魅力を理解し、高まる興味を持つ手助けを目的としています。
結論
伊勢志摩地域の「iseshima connect プロジェクト」は、新しい観光の流れを創出し、地域経済の持続可能な発展を図る取り組みへと発展しています。地域の潜在能力を最大限に引き出しつつ、観光業を通じた新たなビジネスモデルが築かれつつあり、今後の動きにさらなる期待が寄せられています。