矢巾町で始まった画期的な取り組み
岩手県矢巾町が新たに導入した「ごみ袋兼レジ袋」は、米から作られたバイオマスプラスチック(ライスレジン®︎)を使用しています。これは、温室効果ガスの排出量や石油系プラスチックの使用を削減し、地域の田園風景を保護することを目的とした画期的な試みです。
ライスレジン®︎の特徴とは?
ライスレジン®︎は、日本で収穫された食用に適さない古米や破砕米を原料にした国産のバイオマスプラスチックです。これらの米は飼料として使われることもなく、廃棄されることが多い素材を利用していることが、このプラスチックの大きな特徴です。
日本政府は2050年までにカーボンニュートラルの実現を目指していますが、近年の米消費量の減少と農家の高齢化により、耕作放棄地が増加しています。ライスレジン®︎はこれらの問題を解決する手助けとなる材料で、環境保護と地域経済の両方に寄与できます。
取り組みの背景
この取り組みは、親会社の北日本製袋が1966年に設立されたことに起源を持ちます。同社は長年にわたり米に関わってきた実績があり、非食用の米が新たな価値を生み出すチャンスとして、ライスレジン®︎の開発を決定しました。バイオマスレジン北日本は、岩手県と連携しながら環境啓発活動に特化した事業として2024年に設立されました。
今後、このごみ袋兼レジ袋の導入を通じて、矢巾町の「ゼロカーボンシティ」の実現に向けた施策が進められます。地域内で調達から製造、販売に至るまでを完結させることで、輸送中の二酸化炭素排出量の削減にも寄与します。
地域の声
矢巾町の町長である高橋昌造氏は、「矢巾町は脱炭素化社会を目指している。町内の企業と連携してこの商品を導入することで、環境意識の向上と循環型社会への移行が期待される」とコメントしています。
また、バイオマスレジン北日本の田代幸司会長も、「米を通じた環境啓発が進むことが大いに嬉しい。地域内での協力を通じて、企業としての責任を果たしていきたい」と述べました。
導入店舗の紹介
最初にこの新しい袋を導入する店舗には、以下が含まれます:
- - スーパーアークス矢巾店 (株式会社ベルジョイス)
- - ショッピングモールアルコ (協同組合矢巾商業開発)
これらの店舗では、今後このごみ袋兼レジ袋を使用することで、環境意識の高い地域社会の形成へとつながると期待されています。
この取り組みを通じて、矢巾町が持続可能な社会へと一歩踏み出す様子が注目されます。今後も、岩手県内および東北全体の取り組みとして、ライスレジン®︎の活用を促進していく予定です。