Dari K株式会社が新たな挑戦を始めます。経済産業省の補助金を受け、インドネシアのスラウェシ島でカカオ豆の生産性向上とサプライチェーンの強化に取り組むことを発表しました。会社の本社は京都府京都市にあり、代表の小久保良輔さんがそのビジョンを推進します。
プロジェクトの背景
カカオ価格は昨今高騰しており、供給の安定化が求められています。特に、インドネシアスラウェシ島は世界有数のカカオ生産地でありながら、日本への輸入量は限られています。このギャップを埋めるべく、Dari K株式会社は現地の農家と手を組み、高品質なカカオ豆の生産体制を整えてきました。
補助金の意義と概要
このプロジェクトは、経済産業省が実施する「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」に採択されたもので、2025年4月から始まります。この補助金は、海外市場の活性化を目指し、日本とグローバルサウス諸国との経済連携の強化を目的としており、Dari Kにとって大きな意味を持つ支援となります。
プロジェクトの具体的課題
インドネシアのカカオ農家は、病害虫被害や老木化、その他の生産性低下の危機に直面しています。Dari Kはこれらの課題を解決し、農家との強固な協力関係を活かして、持続可能な供給基盤を構築しようとしています。
具体的な取り組みとしては、まず現地の農園で用いる防除剤を拡大試験し、CPB(カカオポッドボーラー)への効果を測定します。次に苗農場の実証を行い、安定的なカカオの苗供給方法を検証します。そして、国内市場及びインドネシア国内市場向けに供給戦略を設計するための調査も行います。
国際的な展望
国内で年間約5万トン輸入されるカカオ豆のほとんどは西アフリカが供給元ですが、2024年の気候変動などの影響でその調達が困難になる可能性があります。Dari Kがインドネシアに注目する背景には、この供給リスクを回避しつつ、同国のカカオ産業を発展させる意図があります。
Dari Kが展開するチョコレートブランド「dari K」は、スラウェシ島の農家と協力し、高品質なカカオを用いた製品を提供しています。彼らは、生産者への適正価格の支払いと持続可能な取引を実現し、「全ての人が笑顔になるチョコレート」を目指しています。
この事業により、Dari Kはインドネシアのカカオ産業の高度化に貢献し、さらには日本市場への安定供給の実現を目指します。今後の進展が期待されています。