ローム社が新たなシャント抵抗器モデルを発表
ローム株式会社が、シャント抵抗器のEROM(Embeddable BCI-ROM)モデルをさらに充実させ、公開を開始しました。この新モデルは、Siemens社の電子機器向け熱設計支援ツール「Simcenter™ Flotherm™」に標準装備されることとなります。これにより、より高精度な熱解析を実現することが可能になります。
高精度で高信頼性
ロームが展開するシャント抵抗器は、幅広いアプリケーションに使用されており、特に車載や産業機器での電流検出において、その信頼性と精度が高く評価されています。今回の発表では、これまでの「PSRシリーズ」に新たに「PMRシリーズ」のEROMモデルが加わりました。これにより、選択肢が増え、設計者にとってより柔軟な対応が可能になります。
EROMモデルの特長
新たに追加されたEROMモデルは、表面温度の変化(ΔT)や部品の熱抵抗において、実測値との誤差がわずか±5%以内という高精度を実現しています。この高精度により、実際の使用環境に近い熱解析が行えるため、熱設計の段階でのシミュレーション精度が大幅に向上し、開発効率の改善にも寄与します。
Simcenter™ Flotherm™との連携
サイメンスの「Simcenter™ Flotherm™」は、電子機器の熱設計や冷却設計に特化したCFD(数値流体力学)シミュレーターであり、高速かつ高精度な解析を可能とします。これにより、設計段階から検証段階まで、取り扱う部品の熱解析が迅速に行えるため、信頼性の高い設計が実現します。
機密性を保持した解析の共有
EROMモデルがSimcenter™ Flotherm™に標準搭載されることで、部品メーカーとセットメーカー間での熱解析モデルの共有が容易になり、機密情報を保ちながらも高精度かつ効率的なシミュレーションを行えるようになります。この点は、特に競争が激しい技術開発の現場において大きなメリットとなるでしょう。
ロームの今後の展望
ローム株式会社は、今後も部品とシミュレーションモデルの両面から、顧客の設計・開発をサポートする措置を強化していく方針です。この取り組みにより、業界のニーズに応え、さらなる技術の革新を目指す姿勢が感じられます。
これからも多様なアプリケーションで活用される期待が高まるロームのシャント抵抗器。その進化を見逃せません。