全国初のスポーツハラスメント検定、一歩進んだeラーニング活用の試み

スポーツハラスメント検定、eラーニングで進化

全国で初めて、スポーツ分野に特化した「スポーツハラスメント検定」が誕生しました。この検定は、learningBOX株式会社が提供するeラーニングシステムを活用しており、一般社団法人スポーツハラスメントZERO協会がリードしています。これにより、体育やスポーツに関与するすべての個人が、ハラスメントのない環境を構築するための知識を体系的に学ぶことが可能になりました。

eラーニングによる迅速な導入

この検定の大きな特徴は、eラーニングを用いていることで、従来の教育方法に比べて準備が迅速に進められる点です。特に、短期間での検定実施が可能になった理由は、クラウド型のlearningBOXの導入です。このシステムにより、受講申し込みや採点、合格通知などの管理がすべてオンラインで完結します。その結果、業務効率が大幅に向上し、”スポハラZERO”という協会の目標に向けた活動がスムーズに進むことになりました。

スポーツハラスメントZERO協会の理念と活動

スポーツハラスメントZERO協会は、人々の意識改革を目指して設立されました。2021年に法学者である谷口真由美氏を中心に、暴力問題が依然として続く中で活動を始め、2024年には法人化されました。その発足の背景には、スポーツ界に根深いハラスメントの問題があります。設立以来、同協会は「裁かない」「誰もが被害者にも加害者になり得る」「居場所になりたい」の三つの活動指針を掲げ、あらゆる人が安心してスポーツに関与できる環境を作るために努力しています。

主要事業としては、検定事業や講演・セミナー、復帰支援プログラムがあり、特に検定では受験者が体系的に学べる機会を提供しています。今後、2026年には中級検定の展開も視野に入れています。

教育と意識改革を進める

谷口理事は、ハラスメントをなくすためにはまず自己理解が重要であると語ります。過去の被害者が加害者になることもあるため、知識のアップデートとそれを活かす方法を知る必要があります。このような視点から、協会は被害者や加害者のいずれも理解し合い、ハラスメントのない社会を築こうとしています。

今後の展望

検定の普及に向けて、同協会は日本バドミントン協会との提携を進めており、さらなるスポーツ団体との連携も計画中です。また、2025年には新たに「セーフガーディング検定」の設置を目指し、ハラスメントゼロを実現するためにlearningBOXと共に活動の幅を広げていく方針です。スポーツハラスメント検定の導入は、今後のスポーツ界における重要な変革となるでしょう。