AIがサプライチェーンの課題解決に挑む!NECと自律調整SCMコンソーシアムによる部品購買業務の自動化検証
近年、世界的なサプライチェーンの混乱や、電子部品の多様化、製品ライフサイクルの短縮化など、企業は様々な課題に直面しています。特に、部品購買業務においては、納期や数量、価格などの調整が頻繁に発生し、人手に頼っていた従来のやり方では、迅速な対応が困難な状況です。
こうした課題を解決するため、NECと自律調整SCMコンソーシアムは、AIを活用した部品購買業務の自動化検証を大規模に実施しました。この検証では、NECグループ会社の実際の購買業務にAIを導入し、サプライヤーとの納期調整を自動化することで、業務効率化と変動対応力の向上を目指しました。
AIによる自動交渉の実証
検証では、NECグループ会社がサプライヤーに対して発注済みの部品に関して、納期回答が遅延している場合や、生産計画の変更による納期前倒し依頼が必要になった場合に、AIが自動で交渉を行いました。AIは、部品の在庫状況や生産計画情報などを活用し、チャットボットを介してサプライヤー担当者とコミュニケーションを取り、納期調整を行いました。
検証結果と期待される効果
検証の結果、AIによる自動交渉により、在庫不足確認、納期計算、サプライヤー担当者とのやりとりが自動化され、取引先との納期調整が大幅にスピードアップしました。これにより、購買担当者は、部品在庫の適正化や予期せぬ需要変動への対応など、より戦略的な業務に集中することが可能となり、変動対応力の向上につながることが期待されます。
簡易検証の実施に向けて
NECと自律調整SCMコンソーシアムは、お客様が自社環境で自動交渉AIを導入検討できるよう、簡易検証環境の構築を進めています。2025年1月以降、お客様は、検証用ファイル(品目情報などを定義するファイル)を作成するだけで、自動交渉の検証を行うことができます。
社会実装に向けた取り組み
今回の検証結果を踏まえ、NECと自律調整SCMコンソーシアムは、納期調整における自動交渉の社会実装を加速させていくとともに、納期調整以外のケースへの適用も検討を進めていきます。
自動交渉AI技術の詳細
NECは、利害の異なるAI同士が交渉し、Win-Winな関係を構築する自動交渉AI技術を開発しています。この技術は、サプライチェーンにおける様々な調整業務の効率化に貢献すると期待されています。
問い合わせ先
自律調整SCMコンソーシアムは、会員を募集しており、会員には自動交渉システムのお試し版体験を提供しています。詳細については、下記お問い合わせ先までご連絡ください。
* 自律調整SCMコンソーシアムE-Mail:
[email protected]
まとめ
NECと自律調整SCMコンソーシアムは、AIを活用した部品購買業務の自動化検証を通じて、サプライチェーンにおける課題解決に貢献していきます。