赤坂台病院が最新の電子カルテサービスを導入
医療法人甲療会赤坂台病院が、富士通Japanの新しい電子カルテサービス「HOPE Smart Cloud Karte」の運用を開始しました。このシステムは中小規模病院向けに特化しており、導入コストやIT人材不足の課題を解決することを目指しています。富士通Japanは、このサービスを2025年9月に提供開始しました。また、赤坂台病院は「HOPE Smart Cloud Karte」の第一号ユーザーとして注目されています。
「HOPE Smart Cloud Karte」は、これまで500以上の中小規模病院に導入実績を持つ「HOPE Cloud Chart II」の機能をベースにしています。特徴的なのは、導入時に必要な帳票やマスタの設定をひな型として提供することで、導入作業を手間なく定型化できる点です。医療機関は、専用のポータルサイトのガイダンスに沿って、スムーズにシステムを設定できます。
中小規模病院では、地域ごとの医療機能の連携が求められており、政府も電子カルテの導入を促進しています。しかし、導入コストやIT人材不足が大きな障害となり、実際には200床未満の病院での電子カルテ普及率は59%にとどまっているのが現状です。従来、電子カルテを導入するには6ヶ月近い期間が必要でしたが、赤坂台病院は「HOPE Smart Cloud Karte」のおかげで、約4ヶ月という短期間での導入を実現しました。
赤坂台病院は、2030年に向けた電子化の目標達成に向け、長い間電子カルテの導入を検討してきました。しかし、パソコンに不慣れな職員が多かったことから、操作に対する不安や費用面での懸念がありました。これまで同病院では、情報を紙で管理しており、医事課や看護師たちはその情報を基に様々な資料へ手作業で転記するという負荷が高い業務を行っていました。
新システムの導入によって、専門的な知識がなくても簡単に利用できるようになり、定型化された帳票のおかげでスムーズな運用が可能に。電子カルテの利用開始により、部門間の情報の連携が強化され、紙での転記が不要になるなど、大幅な業務効率化が実現しました。これにより、医療従事者はより多くの時間を患者のケアに充てることができるようになります。
今後、富士通Japanは全国のパートナーと協力し、2028年3月までに200以上の病院への「HOPE Smart Cloud Karte」の導入を目指しています。この取り組みを通じて、地域医療を支える中小規模病院のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進と、持続可能な医療体制の構築に貢献していくことでしょう。
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