UL Japanが日米合同で海上貨物輸送の安全性向上を支援

UL Japanが日米合同で海上貨物輸送の安全性向上を支援



Underwriters Laboratories (UL) Japanは、米国への海上貨物輸送の安全性を強化するため、日米の国土安全保障に関連する重要なプロジェクトに協力しています。この取り組みは「海上貨物追跡タグシステム」(MATTS)という新しい技術の確立を目指すもので、実際に横浜港からカリフォルニア州へ向かう貨物コンテナを用いて行われます。

実証実験の概要



このプロジェクトでは、UL Japanが海上貨物追跡システムの構築に必要な技術的支援を行い、100個の貨物コンテナに無線ICタグを取り付け、通信能力の信頼性を評価します。対象となるコンテナは日本を出発し、海路を経て米国のカリフォルニア州、さらに陸路で中西部の内陸施設に運ばれます。この試験は、日本の国土交通省と米国国土安全保障省の委託を受けて実施されます。

ULの火災・安全・信号部門統括部長、クリス・ハスブルック氏は、「日本は米国にとって重要な貿易相手であり、我々の技術が国家安全保障に貢献できることを誇りに思います」と述べています。

MATTSの目的



MATTSは、米国国土安全保障省の資金援助を受けて、海上貨物輸送の安全性を向上させるための画期的なプロジェクトです。これは、中小企業技術革新制度(SBIR)の一環であり、革新的な技術を持つ中小企業の参加を促進し、国土安全保障に関する具体策の実現を目指しています。

実験で用いる無線ICタグは、各コンテナに取り付けられ、積載地から目的地までの位置情報を自動的に記録します。この技術は、GPS信号が途切れた場合でも位置を特定できるように設計されています。このシステムの運用により、貨物の状態や安全性をリアルタイムで監視でき、テロ対策や盗難防止に寄与します。

海上貨物の現状と必要性



全世界の貨物輸送の約90%は海を通じて行われていますが、輸送の安全性と効率性を両立させることは容易ではありません。MATTSが成功すれば、輸送業者は貨物の追跡だけではなく、過去の位置情報や貨物の状態を瞬時に把握できるようになります。これにより、業界全体の効率性が向上し、サプライチェーンの安全性を大きく高めることが期待されます。

未来に向けた展望



海上貨物追跡タグシステムが本格稼働することで、コンテナの追跡情報は、船舶搭載の衛星送受信機や港の情報ネットワークに接続され、リアルタイムの在庫管理や運送計画が可能になります。UL Japanは、引き続きこのプロジェクトを支援し、国際貿易の安全性を向上させるために尽力していくことでしょう。この取り組みは、日米の関係をより深め、さらなる安全な輸送体制の実現に寄与することが期待されます。

このように、UL Japanの技術の導入によって、海上貨物輸送の安全性は一層強化されていくと考えられています。今後の展開に大いに期待が寄せられています。

会社情報

会社名
Underwriters Laboratories
住所
333 Pfingsten Road Northbrook, IL 60062-2096 USA
電話番号
847-272-8800

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