Kasperskyが明かすウェブトラッキングサービスの現状と課題
Kasperskyのリサーチチームが、2023年の7月から2024年の6月までのユーザーデータを基に、ウェブトラッキングサービスについて詳細な分析を行いました。特に、GoogleやMicrosoft、New Relicなどの人気のあるトラッキングサービス25種類を対象に、収集されたデータの実態が明らかになりました。
ウェブトラッキングの実態
ウェブトラッキングとは、ユーザーのオンライン行動を記録し、データを分析するサービスです。収集されるデータには、訪問したウェブサイト、滞在時間、クリックやスクロールの動きが含まれ、これらは企業がサービスを改善し、ユーザー体験を向上させるために活用されています。Kasperskyのデータによると、2023年中に報告されたウェブトラッカーのインスタンス数はなんと387億件を超え、1日あたり約1億610万件のデータが収集されています。
トラッキングサービスの運営者
ほとんどのトラッキングサービスは大手IT企業によって運用されており、これらの企業は自社の評判を守るため、ユーザーデータの保護に努めています。しかし、リサーチャーは、最終的にはユーザー自身がデータセキュリティの責任を意識し、適切な対策を講じる必要があると指摘しています。
日本のウェブトラッキング事情
興味深いことに、日本のトラッキングサービスには国内企業による人気のものも多く見られます。特にYahoo! Japanのウェブポータルは広く利用されており、トラッキングシェアは4.70%を占めています。さらに、日本企業のトラッキングサービスのシェアはトップ25の中で12.09%にも及び、GenieeやLINEといったサービスもランクインしています。
グローバルな視点
グローバルでは、Googleのサービスが圧倒的なシェアを占めており、特にGoogle Display & Video 360がユーザー行動を追跡する機能では最大の存在感を保っています。他の地域に比べ、南アジアや中東では更に高いシェアを持ち、ユーザー行動の分析に主に利用されています。Google AnalyticsやGoogle AdSenseも依然として人気で、ラテンアメリカや中東では高い使用率を誇ります。
データセキュリティの重要性
Kasperskyの研究者、アンナ・ラーキナ氏は言います。「トラッキングサービスのデータ収集は限定的ではなく、多くの企業が情報を保存し処理していますが、その分、データ侵害のリスクも増しています。」このような背景からも、自らのデータに対する意識を向上させることが、今後ますます重要となるでしょう。
最後に
Kasperskyは、サイバーセキュリティとデジタルプライバシーの観点から、利用者が正しい知識を持ち、自らを守る手段を講じることを推奨しています。今後も、データセキュリティの向上が求められる中で、企業やユーザーがどのように対策を進めていくのか、注目していく必要があります。