2021年に設立された「ジャパントラベルアワード」は、観光からより良い社会を創ることを目的とした注目のアワードで、今年で4回目の開催を迎えました。今年は過去最多の196件の応募があり、その中から選ばれた16のスポットがファイナリストとして名を連ねました。
グランプリの栄誉に輝いたのは、長野県佐久市にある「酒蔵ホテル® KURABITO STAY」。このユニークな施設では、300年の歴史を持つ地元の酒蔵と協力し、実際に酒造りのプロセスを体験することができます。また、地域の女性の働きやすい環境を整え、地域経済にも貢献する取り組みが評価されました。審査員からは、「地域経済への貢献度が素晴らしい」とのコメントも寄せられています。
続いて、各部門の受賞者を見ていきましょう。
アクセシブル部門では、滋賀県大津市の「wildwater」が選ばれました。元消防士が障害のある子ども向けに創り出したこのバリアフリーのアウトドア体験は、まだまだ発展途上ではありますが、その情熱が高く評価されました。
LGBTQ+部門での受賞は、京都市の「エースホテル京都」。アジア初のエースホテルとして、ホテル運営のみならず、LGBTQ+コミュニティを支援するためのイベントも開催し、多様なゲストが快適に過ごせる環境を提供しています。
サステナブル部門では、兵庫県洲本市の「AiAii」が受賞。日本人とイギリス人の夫婦が経営するこの藍染め工房は、アップサイクルの実践や持続可能性に対する取り組みが高く評価されました。
インバウンド部門では、東京都大田区の「SAMURAI TRIP」が選ばれ、日本の伝統武道である剣道を体験できるツアーを提供しています。これにより、海外の観光客に対して日本文化の深い理解を促しています。
ファミリー部門は三重県伊賀市の「伊賀の里モクモク手づくりファーム」。この農業テーマパークでは家族で楽しめる様々な体験が用意されており、食育にも配慮されています。
観光開発部門の受賞は新潟県長岡市の「HAKKO HOUSE Nagaoka」。地域特有の食文化を活かし、観光づくりを行っている点が高評価を得ました。
ソーシャルインパクト部門では奈良県山添村の「ume,yamazoe」が選ばれ、障害や病気のある家族への支援プロジェクトが評価されました。
宿泊施設部門は神奈川県箱根町の「箱根本箱」で、地域と結びついた独特な体験を提供しています。
文化部門の受賞は群馬県千代田町の「TEMPLESTAY ZENSŌ」。僧侶が運営するこの宿坊では、仏教を深く学ぶ貴重な体験が提供されています。
最後に、
ラグジュアリー体験部門では沖縄県名護市の「ツリーフルツリーハウス サステイナブルリゾート」が選ばれ、自然の中で心地よい時間を過ごすための理想的な場所として評価されました。
これらの受賞者が示すように、観光が持つ力は単なる楽しみを超え、地域の発展や社会的な意義を創造する重要なインフラであると言えるでしょう。
この特別なアワードの受賞式は2025年2月12日に東京アメリカンクラブで開催されます。受賞者はもちろん、素晴らしい取り組みを行う地域や企業が集まり、パネルディスカッションや交流の場が設けられる予定です。観光に関心を持つ方々は、ぜひ参加し、新しいアイデアや視点を得る機会にしていただきたいです。詳細な情報は公式サイトから確認できます。興味のある方は事前に申し込みの上、ぜひご参加ください。高い志を持つ観光業界のキーパーソンたちと出会う貴重な機会になるでしょう。