生成AIで業務効率化
2024-08-05 15:24:45

生成AIによる自由記述式アンケート分析の進化と導入効果

生成AIによる自由記述式アンケート分析の進化



私たちの社会で、マーケティングや研究など様々な場面で欠かせないアンケート調査。その中でも特に自由記述式の回答は豊富な情報を提供する一方、従来の手法では手作業での分析が必須であり、時間とコストがかかる課題がありました。しかし、最近の自然言語処理技術の進化により、生成AIがその問題を解決する可能性が広がっています。株式会社三菱総合研究所(以下、MRI)は、自由記述式アンケート1,000件を生成AIで分析し、その結果を発表しました。今回の取り組みにより、手動での分析に比べ、約10分の1の時間で成果を得ることができたのです。

1. 自由記述式アンケートの現状と課題


アンケート調査は様々な情報を集める重要な手法ですが、選択式回答と自由記述式回答には明確な違いがあります。選択式は集計が容易ですが、自由記述式は豊富な情報を含むため、その分析には多大な労力が必要とされます。特に多くの自由記述式回答を集めた場合、深い理解力と長時間の作業が求められることから、急務である効率化の手段が模索されてきました。

2. 生成AIを用いた分析手法


MRIは、住民意識調査の自由記述式回答1,000件を対象に、生成AIによる分析を試み、多数の技術的な成果を挙げました。まず、生成AIを使った分類方法の開発に成功し、プロンプト設計の工夫により、従来の手動分類を上回る精度での分類を実現しました。これにより、AIが指定したカテゴリに応じて自由記述回答を自動的に分類することに成功しました。

次に、生成された分類結果を基に要約を作成する手法を確立しました。この要約は、各カテゴリごとに「代表的な意見」を的確に表現することができ、MRIの研究員による通常の作業と同様の成果を得ることができました。

3. 驚異的な効率化


手動での分析では、1,000件の自由記述式回答を扱うためには約4〜5時間が必要ですが、生成AIを用いた場合、これが10分以内に短縮されました。これは実質的に作業の10倍以上の時間短縮を意味します。また、プロンプト設計を通じて分類基準を一貫して設定することができ、これにより標準化が進みました。このように、生成AIの導入により、アンケート分析業務は大幅に効率化されることが確認されました。

4. 今後の展望


今後、MRIは生成AIを活用した分析プロセスのさらなる革新を進める予定です。具体的には、アンケート設計段階から生成AIを念頭に置いた仮説の立案や設問の設定、データテーブル構造の設計を行い、最終的には報告書の自動作成を目指します。また、生成AIの機能改善や性能向上に取り組むことで、自由記述式以外のデータの分析にも応用していくことが期待されています。

5. 「ララサポ」の展開


この研究はMRIの生成AIソリューション開発の一環である「ララサポ」に関連しています。ララサポプロジェクトでは、アンケート分析だけでなく、報告書の自動作成やカスタマーサポートの向上を目指したサービスの拡充が計画されています。これにより、今後様々な業務の効率化と質の向上が期待されています。

私たちの社会において、効率的なデータ活用がますます重要になっています。生成AIの導入によって、業務のスピードと質が向上することは確実であり、MRIの今後の取り組みに注目が集まります。

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