三菱食品が基幹システム「MILAI」の刷新を開始
三菱食品株式会社(東京都文京区)は、基幹システム「MILAI」のフルクラウド化プロジェクトを2024年8月から実施することを発表しました。本プロジェクトは、食品流通業界におけるレガシーシステムの課題解決と、急速な技術革新への対応を目指しています。
これは、約8年前にメインフレームからオープン系システムへ移行した経緯を踏まえ、最近のビジネス環境の変化に迅速に対応するための重要なステップとなります。企業は、データ活用基盤の強化とAI技術を駆使した新しい戦略「MS Vision 2030」をもとに、基幹システムの刷新に向けてロードマップを策定しました。
プロジェクトの構成と目的
本プロジェクトでは、まずオンプレミスからクラウドサービスへの移行を進めます。この移行により、コストや機能の最適化を図り、企業内の各プロセスをより効率的に運用できることを目指しています。特に、受発注、物流、販売、在庫、会計の各機能については、システムのリファクタリングや再構築が行われます。これにより、性能やコストが最適化され、全体の業務効率が向上します。
また、食品卸の機能やサービスをモジュール化することにより、さまざまな企業が自社のニーズに応じて利用できる仕組みを作成します。
最新技術の導入
新しい基幹システムは、最新のテクノロジーとアーキテクチャを取り入れ、クラウドネイティブな環境に刷新されます。AIとAutoML(自動機械学習)の融合により、業務全般の効率化と高度化が図られる予定です。この取り組みは、卸機能全般の強化の一環として位置づけられています。
さらに、昨年度に先行して構築したクラウドデータ活用基盤との連携により、内部データと外部データ(例:気象データや人流情報)を統合し、迅速な意思決定をサポートします。これにより、業務プロセスの自動化が進み、企業間でのデータ利活用エコシステムの構築も意図されています。
持続可能な社会の実現へ
三菱食品は、「食のビジネスを通じて持続可能な社会の実現に貢献する」という企業のパーパスに基づき、基幹システムやデータ活用基盤の近代化を積極的に進めていきます。このプロジェクトによる新たな価値創造が期待されています。
食品業界における技術革新の重要性が増す中、三菱食品のこの挑戦は、他の企業にも影響を与える先駆けとなることでしょう。今後の進捗に目が離せません。