不動産業界の癒着構造を断ち切る
3月4日、首都圏における分譲マンションの大規模修繕工事に際して、公正取引委員会(公取委)が約20社の施工会社に対して立ち入り検査を実施しました。この動きは、独占禁止法違反の疑いを受けたものです。この後、3月31日にはコンサルティング会社への調査も報じられ、多くの人々がこの問題に注目しています。
この報道を受けて、東京都渋谷区に本社を置く株式会社さくら事務所が注目されました。個人向けの総合不動産コンサルティングや住宅診断、マンション管理組合向けのサービスを提供する同社は、大規模修繕の現状とそこでの癒着構造の実態について発表しました。さくら事務所は「不動産の達人」と称し、信頼できるコンサルティングのあり方を模索しています。
業界の癒着構造
実は、さくら事務所が指摘する癒着構造は決して新しい問題ではありません。国土交通省が2017年に設計コンサルティング会社の利益相反について警告を発して以降、改善の兆しは見えず、業界には「出来レース」とも言える状況が存在しています。具体的には、以下のような現象が見受けられます。
- - 複数社に見積もりを依頼しても、金額がほぼ横並びになるケースが多い。
- - 極端に安い設計監理費用は、実際には施工会社からのバックマージンを得る前提で設定されている可能性がある。
- - 施工会社からの提案が毎回同じ、または1〜2社しか応募しない。
- - 見積金額が修繕積立金の残高とほぼ一致する傾向がある。
これらは、設計コンサルタントや管理会社が設計から見積取得、施工監理までを一手に主導することで起こる問題です。
さくら事務所のアプローチ
さくら事務所はこのような癒着を断ち切るために、「プロポーザル方式」を採用しています。この方法では、工事仕様を各施工会社が自由に提案できるようにし、競争環境を整えることを目指しています。これにより、管理組合は提案内容やコスト、対応力を多角的に比較検討することが可能となります。
さらに、さくら事務所は設計業務を行わず中立的な立場を維持することを徹底しています。施工会社との利害関係を一切持たないため、利益相反の危険性は排除されています。提案支援の際に特定の会社を選ぶよう誘導することもなく、それぞれの提案を客観的に評価する姿勢を貫いています。この中立性が、業界における透明性向上につながるのです。
今後の展望
大規模修繕工事における談合は悲しいことに未だに根強く残っていますが、さくら事務所はこの現状から脱却するため、透明性を持つ方法論の強化に努めています。「マンション修繕工事の談合はなぜなくならないのか」という問いについて更に理解を深めるためのコラムも用意しており、業界の実情を詳しく解説しています。
今後も不動産業界におけるモラルのリーダーシップを取り、健全な競争が行われる未来を目指すさくら事務所の取り組みに注目が集まります。詳細や質問がある方は、ぜひご連絡いただきたいと思います。専門家による直接の取材も受け付けており、実際の事例に基づいた話をお届けすることができます。
さくら事務所は1999年に不動産コンサルタントの長嶋修により設立されました。以来、71,000組を超える実績を誇り、今後も「人と不動産のより幸せな関係を追求する」理念のもと、業界の改革を進めていきます。