日立ソリューションズ、新たな自動化ソフトウェアでSDV開発を加速
自動化の重要性
自動運転技術や電気自動車の普及が進む中、Software Defined Vehicle(SDV)と呼ばれる新たな形態の車両が注目を集めています。これは車載ソフトウェアによって機能がアップデートされ、自動車の進化を迎えるものです。しかし、その背後では、複雑化する車載ソフトウェア開発が大きな課題となっています。
日立ソリューションズは、この課題を解決するために、新たな「循環型テスト自動化ソフトウェア」を発表しました。提供開始日は2024年1月16日で、このソフトウェアは、モデルベース開発に基づくシミュレーションテスト環境の自動化を推進します。
複雑化するテスト環境
最近の車載ソフトウェア開発では、テスト業務がますます煩雑化しています。特に、レグレッションテストと呼ばれる反復テストでは、パラメーターの修正に人手が依存しており、その結果、再現性に欠けたり、人為的ミスによる品質低下が懸念されています。したがって、テスト業務の自動化は急務であり、特にモデルベース開発のメリットを生かす場面で大きな効果を発揮します。
ソフトウェアの特長
新しい循環型テスト自動化ソフトウェアは、次のような機能を備えています。
1.
情報の一元管理
シミュレーション環境やテストシナリオ、パラメーターなどの情報をプロジェクト管理ツールで一元管理します。これにより、開発者は情報を探す手間が省かれ、パラメーターの再利用が容易になります。
2.
自動化の推進
テスト実行から結果の解析、さらにはパラメーター修正に至るまで、全てのプロセスを自動化します。これにより、テストの効率が大幅に向上し、人的ミスを低減することが可能です。
3.
時系列データ自動テストソフトウェアとの連携
既存の時間系列データ自動テストソフトウェアと連携し、過去のデータを基にした効果的なテストシナリオの作成が可能です。
日立ソリューションズの挑戦
日立ソリューションズは、この新製品を通じて、自動運転技術の進展に貢献することを目指しています。また、同社はこれまでに多くのモデルベース開発プロジェクトの実績を持ち、今後は顧客のニーズに応えながら、より効率的なソフトウェア開発を支援していく方針です。
この新製品は2025年1月に東京ビッグサイトで開催される展示会「オートモーティブワールド2025」にも出展される予定です。SDVに向けた自動化の波がこの業界にどのような変革をもたらすのか、今後の展開に期待が高まります。