博報堂生活総合研究所が発表した2024年10月の消費意欲指数は、44.4点に達しましたが、これは前月から1.4ポイント、前年から2.1ポイントの減少を示しています。この調査は、全国の20~69歳の男女1,500名を対象に、消費の先行きを探るものとして毎月実施されています。
2024年10月の消費意欲に関するポイントは、秋らしい購買意欲の高まりが見られる一方で、節約意識が強まっていることです。消費意欲指数は、過去5年間の同月比で最も低い数値であることが確認されました。特に、ポジティブな回答が増えたことが目を引きます。自由回答形式の調査からは、ポジティブな意見が9月の291件から10月には360件に増加し、秋の服や食欲に対する意欲が高まっていることがわかります。
しかし、ネガティブな回答も依然として存在し、金銭面での理由から節約や我慢を感じる声が増えたことが際立っています。この調査で、金銭的な理由での節約意識の高まりが見え、9月からの節約に関する回答は169件から202件に増加しました。
前年比で見ると、ポジティブな回答は322件から360件に増加したものの、ネガティブな回答は888件から872件と横ばいで推移しています。これは、前年に比べて消費自体への満足感がやや高まっている一方で、「物価高」が依然として問題視されていることを示しています。
10月の消費意欲のカテゴリー別消費意向を見てみると、特に「食品」、「ファッション」、「旅行」の分野で前月と比べて消費意向が上がりました。一方で、前年と比較すると「外食」や「ファッション」、さらに「日用品」や「書籍・エンタメ」などのカテゴリーでは顕著に減少しています。全体的には、秋の季節に関連する商品やサービスへの関心が高まっているものの、他の多くのカテゴリーでは前年からの減少が見込まれています。
これらの調査結果は、消費心理が徐々に変化していることを示しています。秋の訪れと共に高まる季節感が、消費に対してポジティブな影響を与える一方で、物価の上昇や広がる節約意識が消費の足かせとなっている状況です。これらの要因が絡み合い、2024年10月の消費意欲指数を形成していると考えられます。
来月の消費動向については、各カテゴリーの動きに注目が集まります。特に、消費者がどのような商品に対する購買意欲を持ち、いかに節約意識を反映させるかが、今後の消費市場において重要な指標となるでしょう。詳しい調査結果は博報堂のニュースリリースページにて公開されています。