江戸切子190周年!7月5日は「江戸切子の日」
江戸切子協同組合は、伝統工芸「江戸切子」の工房や職人の組合として、来たる7月5日を「江戸切子の日」と制定しました。今年は、江戸切子の始まりとされる江戸時代後期から数えて190周年を迎えます。
「江戸切子の日」は、江戸切子の代表的なカットパターンの一つである「魚子(ななこ)」の文様から、7と5を組み合わせた語呂合わせで制定されました。職人の技量を試される難しい「魚子」の文様は、江戸切子の技術の高さを象徴しています。
江戸切子の今 - 伝統を受け継ぐ職人たちの挑戦と未来
「江戸切子の日」を記念して、江戸切子の現在における取り組みやトピックをご紹介します。
1. 江戸切子工房を舞台にしたショートフィルム
東京都と国際短編映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア」によるサステナブル・リカバリープロジェクト特別製作作品として、江戸切子工房を舞台にしたショートフィルム『紋の光』が制作されました。
名誉都民にも顕彰されている職人、瀧澤利夫氏の工房「瀧澤硝子工芸」が作品背景の1つとして登場し、片岡鶴太郎氏と前原滉氏演じる切子職人親子の作品には、瀧澤氏とその師弟である高野秀德氏による切子作品が使用されています。
2. 商工連携によるイベントとネット展開
今年で36回目を迎える「江戸切子新作展」が、藤巻百貨店の特別協力のもと、東急プラザ銀座で開催されました。約4000人が来場し、新作作品コンテストの発表や販売・体験などが行われました。
イベント後も、藤巻百貨店によるインターネット通販を通じて、若手職人を中心とした作り手に注目した販売機会が展開されています。リアルとオンラインを組み合わせた商工連携と伝統工芸の新たな展開が進められています。
3. 女性職人の活躍
今年の「江戸切子新作展」では、女性職人が制作した作品が初めて第1位を受賞しました。江戸切子の職人のうち、女性の割合は約2割で、年々増加しています。
2019年には、女性初の日本の伝統工芸士が誕生し、現在3名の女性伝統工芸士が活躍しています。
4. 産地の伸張 - 埼玉県草加と越谷
江戸切子の産地は、東京都江東区を中心としていますが、近年は埼玉県での伸張が目立っています。
草加市のミツワ硝子工芸は、若手職人の育成とデザイン性のある商品開発を行い、全国に展開しています。また、越谷市には、ミツワ硝子工芸から独立した職人で、日本の伝統工芸士である石塚春樹氏の工房「石塚」が昨年開業しました。
5. ショールームでの企画
7月5日の「江戸切子の日」から、江戸切子協同組合が運営する公式ショールームでは、お得な企画を実施予定です。江戸切子の日記念特別セールや、お買い上げ特典として抽選会も開催されます。
江戸切子の未来へ
江戸切子は190年の歴史を刻み、今年は江戸切子協同組合も70周年を迎えます。
伝統を守りながら進化を続ける江戸切子は、次世代へ受け継がれる大切な文化です。江戸切子協同組合は、今後も江戸切子の認知普及に積極的に取り組んでいきます。