スタートアップ支援の新たな展開
シード期のスタートアップに対する投資と経営支援を専門とする株式会社ジェネシア・ベンチャーズが、投資先企業への支援をさらに強化することを発表しました。特に注目すべきは「スタートアップ起業家への10の問い」と題された支援プログラムの導入です。このプログラムは、起業家たちの自己反省を促すための10の質問集を通じて、彼らの組織創りに役立てることを目的としています。
起業家にとって、事業の成功は事業戦略やファイナンス戦略に限らず、強力なチームの構築が不可欠です。しかし、組織のトップが適切なフィードバックを受ける機会は少ないのが現状です。ジェネシア・ベンチャーズの新しい取り組みは、この課題に応えるべくスタートしたもので、今後、先輩起業家たちの知見を交えた連載形式のコンテンツも展開していく予定です。
組織創りの羅針盤
このプログラムでは、以下の10の問いが設定されています。
1.
仲間探し:自分の時間を仲間探しにどれだけ投資しているか?
2.
ビジョン:心を惹きつけるビジョンをどのように描いているか?
3.
カルチャー:事業成長のために必要なカルチャーをどう体現しているか?
4.
自己成長:自己研鑽の機会をどのように設定しているか?
5.
目標設計:目の前の目標は企業価値の最大化に繋がっているか?
6.
権限移譲:権限移譲から得た時間をどう活用しているか?
7.
資金調達:実績だけでなく、未来のビジョンを明確に伝えられているか?
8.
事業創り:スピードを持って複数のシナリオを検証しているか?
9.
ブランド創り:顧客に選ばれるブランド作りができているか?
10.
マインドセット:短期と長期のバランスをどのように取っているか?
これらの問いは、起業家が自らの価値を見直し、組織としての成長を促進するためのものです。今後、先輩起業家たちの実績と回答も順次公開予定です。
CxO人材の採用支援
さらに、ジェネシア・ベンチャーズは投資先スタートアップのCxO人材の採用支援も強化します。シード期の企業は通常数人の小規模チームで、人事専任者さえ不在というのが一般的です。そのため、経営チームにとって「強いチームを創る」ことが最重要な課題となります。
これに対し、ジェネシア・ベンチャーズは外部の人材紹介エージェントであるSweat Equity Partners社と連携し、コストを持たずにCxO候補となる人材の紹介を行う仕組みを新設しました。これにより、スタートアップがより優れた人材を採用しやすくすることが目的です。
事例紹介
実際にこの取り組みに参与した企業からもポジティブな声が上がっています。株式会社エナーバンクの関根大輔氏は、スタートアップの人員拡大に伴い、候補者に対してジェネシア・ベンチャーズからの推薦が大きな契機となり、無事に目標通りの人材を採用できたと話します。また、採用支援を受けることで、採用活動そのものの効率化が図れたと評価されています。
これらの活動を通じて、ジェネシア・ベンチャーズは、スタートアップの成長を加速するための基盤を築いていきます。特に、組織創りやCxO人材の採用に対する手厚いサポートは、シード期の起業家にとって心強い後ろ盾となるでしょう。今後も同社の活動が注目されます。