香港と日本の貿易効率化を目指す新たな試み、ステーブルコインの活用

香港と日本の貿易効率化を目的とした新たな取り組み

香港と日本の企業が連携し、ステーブルコインを活用したクロスボーダー取引の実現を目指すプロジェクトが現在始動しています。この試みは、IDA Finance Hong Kong Limited、Progmat, Inc.、株式会社Datachain、TOKI FZCOの4社による共同研究です。彼らは、ブロックチェーン技術を駆使して、両国間の貿易をより円滑に進める新しい決済手段の開発に取り組んでいます。

プロジェクトの背景

香港貿易発展局（HKTDC）によるデータによると、日本は2023年において香港の重要な貿易相手国の1つであり、その関係は特に輸出入市場で強固なものです。特に、ステーブルコインは従来の金融取引手段の代替となる可能性があり、今後の成長が期待されています。

ステーブルコインは、法定通貨に対して安定した価値を持つデジタル資産であり、国境を超えた送金においてコストや時間の短縮を図るうえで大きなメリットを提供します。この共同プロジェクトは、そうした新しい技術の可能性に注目し、両国の貿易関係を深化させることを目指しています。

実証実験の内容

このプロジェクトの中核をなすのが、実証実験（PoC）です。現在の貿易ルートや取引プロセスを分析し、具体的な改善点や利点を明らかにすることを目的としています。IDA、Progmat、Datachain、TOKIが協力し、日本円と香港ドル建てのステーブルコインを活用したクロスボーダー支払いの実証を行います。

実証実験では、特定のユーザーに対して送金リクエストを発行し、香港と日本の間でステーブルコインを用いた取引の流れを確認します。その後、現地のオフランプパートナーを介して、ステーブルコインを法定通貨へ変換し、受け取るプロセスの効率性も検証されます。これにより、実際の貿易業務における有効性や利便性が確認されるのです。