愛媛県で新しい観光ガイドの形が生まれつつあります。業務改革のためのロボット技術を推し進めるugo株式会社が、「ugo mini」を活用し、観光産業に新たな風を吹き込む試みをしています。これは、特に肢体不自由者に就労機会を提供するためのプロジェクトであり、えひめロボティクス障がい者サポートコンソーシアムとの連携のもとで進行しています。
導入の背景
愛媛県デジタル実装加速化プロジェクト(トライアングルエヒメ)では、デジタル技術を用いて地域の課題を解決しようとしています。その一環として、特別支援学校の学生たちが「ugo mini」を操作し、四国西予ジオミュージアムの中を巡回して観光情報を発信するというユニークな取り組みが行われています。このプロジェクトは、ロボットによる新たな観光ガイド体験を創出するとともに、障がい者の就労機会を拡大するモデルケースとしても期待されています。
具体的な取り組み内容
「ugo mini」は遠隔操作が可能であり、特別支援学校の学生は教室からミュージアム内を自由に動き回り、四国西予ジオパークの魅力を伝えます。こういった活動は、肢体不自由な方々がもたらす観光の新しいかたちを示しています。さらに、現在の日本における特別支援学校における肢体不自由者の就職率は6.2%と低い水準であり、愛媛県でも全国平均の25位に留まっていますが、このプロジェクトを通じてその状況を改善しようという取り組みが進められています。
今後の展望
今後、ugoはこの新たな観光ガイド事業を基に、障がい者が操作できるロボットの技術をさらに発展させ、就労促進サービスモデルの構築を目指しています。また、業務のDX化を通じて、現場の課題を解決し、新たな価値を提供する姿勢を貫いていく方針を示しています。
コンソーシアムメンバーからの期待
えひめロボティクス障がい者サポートコンソーシアムを代表する株式会社ノトスの藤原代表は、「ugo miniは肢体不自由者の可能性を大きく広げてくれる」とコメントしており、その機能性とコミュニケーション能力が期待されています。また、松井社長は、このプロジェクトが地域と共に歩む新しい就労支援のモデルになることを願っています。
この取り組みは、単なる観光ガイドを超え、社会に貢献し、障がい者の未来を切り開く一助となることを指し示しています。ロボット技術を活用した観光ガイドは、今後ますます進化し、広がっていくことでしょう。